日本化学会

閉じる

トップ >イベント >カレンダー >化学技術基礎講座 製品開発に必要な有機合成化学の基礎

イベントカレンダー

セミナー・講座

化学技術基礎講座 製品開発に必要な有機合成化学の基礎

主催:日本化学会産学交流委員会
会期:2017年9月27日・28日
会場:化学会館 アクセス

主査:岩澤伸治(東工大院理工)

趣旨:有機合成化学は、電子材料分野、医薬品分野、環境・エネルギー分野などの幅広い分野において、機能性素材を製造するための重要な基盤技術となっている。本コースでは企業の若手社員、あらためて有機合成化学を勉強しようという方、就職予定の学生を対象に、素材の製品設計に必要な有機合成化学の基礎と最近のトピックを学べる講座を企画した。今回のトピック講義は、(1)最近めざましく発展してきている計算化学を活用し、合理的な反応経路をどのようにデザインしていくのかを解説、(2)量産化で重要な「晶析」に焦点をあて、結晶化の上手な制御法について、最近の晶析トレンドにも触れながら解説、(3)各講座の最新トピック(有機分子触媒を用いた不斉触媒反応、不斉合成や対称性利用などによる合成戦略の新たな流れ等)、を取り上げる。

対象:当該分野の化学的知識を基礎から学びたいと考える技術系新入社員。人事異動や配置転換、新規事業の開始等によって、新たに当該技術の知識獲得を目指す中堅技術者および研究者。化学企業への就職を希望する化学系学生。

参加費:個人正会員(法人会員含む)25,000円、学生会員 10,000円、非会員 40,000円

 ※会期初日夕刻の懇親会費は無料、2日間の昼食代は上記参加費に含みます。  ※請求書は申込受理通知メールに記載のURLより発行ください。  ※開催翌月の月末までにお振込ください。  ※法人会員企業一覧は化学会HPにてご確認ください。

申込方法:申込フォームからお申込み下さい。 募集人数:50名(10名より催行)

プログラム

9月27日(水) 10時~18時20分 (終了後懇親会)

10:00-10:10 本研修の全体像、趣旨         岩澤伸治(東工大院理工)

10:10-11:30 有機合成の基礎:炭素-炭素結合形成反応         髙井和彦(岡山大院自然)

有機合成の基本である炭素-炭素結合形成反応と酸化還元反応のうち、炭素-炭素結合形成反応の基本を解説する。有機化学と有機合成化学の違い、有機合成を勉強するときに役立つ情報、さらに実験室で合成実験をおこなうときの注意点、文献の探し方などについても述べる。

11:30-11:40 インキュベーションタイム

11:40-13:00 有機合成の基礎:実験室での酸化・還元から工業的な酸化まで         岩澤伸治(東工大院理工)

複雑な有機化合物を合成する際、基本となるのは炭素骨格形成のための炭素-炭素結合生成反応と官能基の変換反応の二つである。両者は有機合成の縦糸と横糸の関係にある。後者の代表が酸化・還元反応である。本講演では、フェノールの合成法として大規模に実施されているクメン法のような工業的酸化反応から医薬品など精密化学製品の合成のための実験室的な酸化還元反応まで幅広く解説する。さらに不斉酸化、不斉還元についても触れる。

13:00-13:50 ランチミーティング

13:50-15:10 炭素-炭素結合形成:アルドール反応から有機分子触媒まで        秋山隆彦(学習院大理)

基本的な炭素-炭素結合形成反応として、アルドール反応に着目し、古典的な方法論から、ジアステレオ選択的反応、触媒的なエナンチオ選択的なアルドール反応までを概説し、立体制御の方法論について解説する。さらに近年注目を集めている有機分子触媒について、キラルブレンステッド酸触媒を中心に紹介する。

15:10-15:20 インキュベーションタイム

15:20-16:40 医薬品・電子材料で注目されるヘテロ環の化学        徳山英利(東北大院薬)

医薬品・電子材料にはヘテロ環を含むものが多く、骨格の構築法に加え、望みの位置への置換基導入が問題となる。特に最近、古典的な反応に加え、遷移金属触媒やラジカル反応を用いた骨格構築および官能基化が注目を集めている。本講義では、基本的なヘテロ環を取り上げ、それらの構築法と修飾法について概説し、医薬品や天然物の合成に応用された例について紹介する。

16:40-16:50 インキュベーションタイム

16:50-17:00 休憩

17:00-18:20 理論計算で切り拓くものづくりの化学        内山真伸(東大院薬・理研)

有機化学が対象とする分子・現象には「手に取り出せないもの」「目には見えないもの」が数多く存在する。反応遷移状態、不安定高活性種、物性予測、軌道間相互作用などもその一つである。これらをいかに合理的にデザインするかが、ものづくりに大変重要である。本講義では、前半に「ものづくりに活かすための理論計算の基礎・考え方・使い方」を概説し、後半では「実験と理論の融合による反応開発・機能創出研究の進め方」などについて最近の実例を交えながら紹介する。

18:30-19:30 懇親会

9月28日(木) 9時30分~15時50分

09:30-10:50 複雑な化合物を合成するときの合成戦略        井上将行(東大院薬)

プロスタグランジンなどの生理活性天然有機化合物を合成ターゲットとして取りあげ、1)逆合成解析の基礎(結合切断や等価変換など)、2)有機合成の三要素(炭素骨格の構築、酸化度の調節、立体化学の整備)、3)合成手法の進歩に伴う合成戦略の変化(不斉合成、対称性の利用)、などについて解説する。

10:50-11:00 インキュベーションタイム

11:00-12:20 有機金属化学の基礎とクロスカップリング反応        小澤文幸(京大化研)

クロスカップリング反応は基質適用範囲が広く、遷移金属触媒を用いる炭素-炭素結合形成の定番反応として、低分子から高分子に至るまで、有機化合物の合成に幅広く利用されている。有機金属反応剤を用いる従来の反応に加え、最近では、C-H結合活性化を素反応とするクロスカップリング反応の有用性が高まっている。本講では、触媒サイクルを構成する各素反応について述べるとともに、反応に用いられる触媒前駆錯体と配位子の特徴について、実例を用いて解説する。

12:25-13:10 ランチミーティング

13:10-14:10 医薬品のプロセス化学~Velneperit(S-2367)の製法開発を例に~        尾田真一(塩野義製薬)

医薬品のプロセス化学とは「低コスト,高品質,安全,低環境負荷」をキーワードに医薬品原薬の工業化に伴う課題を研究する分野である.本講座では弊社で創製された抗肥満薬候補品Velneperit (S-2367) 原薬の初期合成から商用に向けた製法確立に至る過程を示し,反応・工程数,収率,最大容量,試薬・溶媒種,E-ファクター等を指標としたプロセスの最適化,反応の安全性評価,不純物制御の手法について紹介する。

14:10-14:20 インキュベーションタイム

14:20-15:40 再沈操作と晶析操作との接点 -粒子群製造のコツから連続フローまで-        滝山博志(東京農工大院工)

化成品製造、新素材開発の現場では、精製や粒子群製造の目的で「再沈」や「再結晶」と呼ばれる操作が行われている。ところが、その操作の少しの違いが、結晶化物質の品質に影響を与え、生産性にも大きな影響を与えることがある。例えば、純度、粒径分布、形状、結晶多形に関わる問題である。この結晶性物質に品質を作り込むプロセス技術が「晶析」となるが、今回は、何をすれば結晶化が上手く制御できるのかについて、最近の連続フロー製造のトレンドにも触れながら紹介する。

15:40-15:50 まとめ        岩澤伸治(東工大院理工)

会期 2017年9月27日(水)・28日(木)
行事名 化学技術基礎講座 製品開発に必要な有機合成化学の基礎
会場 化学会館7階ホール
連絡先 日本化学会企画部 担当:鷺谷 / 矢部 / 坂下
E-mail: sangaku@chemistry.or.jp、電話03-3292-6163
URL https://event.csj.jp/form/view.php?id=212703