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イベントカレンダー

講演会・シンポジウム

ソフトマター・バイオ界面の力学とその計測

開催概要

名 称 コロイド先端技術講座2017 ソフトマター・バイオ界面の力学とその計測
主 催 日本化学会 コロイドおよび界面化学部会
会 期 2017年10月13日(金) 10時~17時30分頃
会 場 化学会館
    交通 御茶ノ水駅 徒歩3分

参加費 部会員 9,000 円  日本化学会会員 12,000 円
    協賛学会員 12,000 円  非会員 15,000 円
    学生(部会員) 3,000円  学生(非会員) 5,000円

申込  申込フォームよりお申し込み下さい。
支払  銀行又は郵便局を通じて送金下さい。
    ※振込先口座の情報は、申込完了後の受理通知メール内もしくは
     同メールから取得できる請求書にてご確認下さい。
    ※振込期限はイベント開催の翌月末とします。

開催趣旨

ソフトマターにおける最大の特徴の一つは言うまでもなく、様々な外的条件・刺激等に応答する多彩な変形能です。変形を司る系の力学的性質とその計測は、ソフトマター材料の分子設計はもちろん、バイオ系における種々の現象・機能の解明においても重要な役割を果たしています。本講座では、学術基礎から企業応用に至る広範なソフトマター・バイオ界面研究の最前線と、それを支える計測技術を取り上げます。多様な力学物性や力学応答機構に潜む現象の普遍性や、革新的な計測技術がもたらす新たな研究領域・方向性について、議論を深めたいと思います。

プログラム

10:00-11:00 【特別講演】環動高分子の創成とその応用:しなやかなタフポリマー実現のための分子設計

         伊藤 耕三 氏(東京大学 大学院新領域創成科学研究科)

ネックレス状の超分子であるポリロタキサンを架橋することで、架橋点が自由に動く環動高分子を作成した。架橋点が自由に動くことで、環動高分子は従来の高分子材料とは異なる物性を示す。本技術は現在、内閣府 革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の中で、しなやかなタフポリマー実現のための基幹技術として、企業との連携により実用化に向けた展開が進んでいる。本講演では、環動高分子の物性とその応用を概説するとともに、ImPACTの成果についても紹介する。

11:00-11:40 ナノ触診原子間力顕微鏡による高分子材料の局所物性計測

         梁 暁斌 氏(東京工業大学 物質理工学院)

我々は、ナノメートルスケールで高分子材料表面の力学物性をマッピングできる技術として、原子間力顕微鏡(AFM)をベースにナノ触診技法とも呼ぶべき手法を開発している。この手法により、ヤング率、凝着エネルギーなどの力学物性、さらにナノスケール応力分布を可視化することができる。ナノ力学物性と巨視的力学物性の相関を理解することは、高分子材料開発への応用に重要であり、幾つかの事例を含めて紹介する。

12:40-13:20 1細胞レオロジー:AFMによる細胞力学物性計測

         岡嶋 孝治 氏(北海道大学 大学院情報科学研究科)

原子間力顕微鏡(AFM)を用いると、生細胞の局所的な力学物性を計測することができる。本講演では、まず、AFMによる1細胞レオロジー計測の現状を概観する。次に、AFMの高い位置制御能を用いることにより、1細胞のレオロジーの空間不均一性を測定できることを述べる。そして、著者の最近の研究から、AFMと細胞マイクロパターン技術の併用技術から見えてきた、細胞レオロジーの個性、細胞レオロジーのゆらぎ、そして細胞レオロジーの統計性(エルゴード性)に関する知見について紹介したい。

13:20-14:00 リン脂質二重膜に対する添加物効果の体系的理解に向けて

         菱田 真史 氏(筑波大学 数理物質系)

生体膜はリン脂質二重膜中に様々な有機小分子が含まれることで成り立つ。コレステロールを除くほとんどの有機小分子については膜に対してどのような効果を持つのか十分理解されていないが、その種類は膨大であるため、すべてをコレステロール同様に広く研究するのは不可能である。そこで我々は多くの小分子に成り立つような体系的な添加効果の理解を目指して研究を行ってきている。本講演では、アルカンやスチルベン、液晶分子を添加することで見えてきた、添加効果の普遍的な特徴について概説する。

14:10-15:10 【特別講演】表面開始型光グラフト重合反応を基盤とした生体親和性材料の創出

         石原 一彦 氏(東京大学 大学院工学系研究科)

水を単一溶媒とする系で光反応を利用した表面開始重合を行い、生体応答を制御できる界面の創製法を確立した。特に界面自由エネルギーを低減するグラフトポリマー層は、防汚性や潤滑性に優れ、医療機器・バイオデバイスに効果的な表面を提供している。実際に超高分子量ポリエチレン表面を修飾した摺動材は耐久性に富み、埋め込み型人工臓器に臨床応用されている。この反応系をスーパーエンジニアリングプラスチックへと拡張した開始剤を必要としない自己開始光重合系についても紹介する。

15:10-15:50 摩擦機能を拡張する可変なシワ表面

         大園 拓哉 氏(産業技術総合研究所 機能化学研究部門)

我々は、ソフトマターであるゴム材料の表面層の周期的な座屈現象に基づいて、ナノからマイクロメートルスケールの周期的なシワ構造の形成技術や、その形をダイナミックに制御する技術を開発している。その中でも、シワ構造を場面に応じて変化させると、計測される摩擦特性も接触状態の変化に対応して変わることを概説する。この新しい摩擦制御機能は、スポーツ用具、ロボットハンド等のグリップ性能を拡張できると期待している。

16:00-16:25 動物血液のレオロジー挙動(印刷用顔料分散インキの流動挙動解析手法の適用)

         篠﨑 俊介 氏((株)DNPファインケミカル)

印刷や塗工用の不均一流体であるインキの多種多様な特性や印刷時の挙動に対し、独自のレオロジー的解析手法を提案した。一方血液も血球成分と血小板、血漿成分に大別される不均一流体である。本手法により従来とは異なった視点から血液の特性解析を試みた。豚血液及び牛血液の凝固特性解析の結果、凝固能とレオロジーパラメータに相関が見られ、本手法が血液の新たな評価手法として適用できる可能性が示唆された。

16:25-16:50 高速原子間力顕微鏡による固液界面現象の動的観察

         井上 滋登 氏(花王(株) 解析科学研究所)

高速原子間力顕微鏡は、固液界面におけるナノスケールの現象を、動的に直接観察することができる画期的な顕微鏡である。界面活性剤などが固液界面に吸着し、それらが形成する構造が変化する過程を直接観察することができれば、汚れの洗浄挙動や、柔軟剤による表面改質などの詳細な理解につながり、製品を開発する上で有益な情報が得られると期待される。本発表では、柔軟剤などに利用されるベシクルや界面活性剤の吸着挙動について観察した例を紹介し、得られた知見について述べる。

16:50-17:30 微小・高速・極限環境の液体物性計測

         美谷 周二朗(東京大学 生産技術研究所)

工業プロセスの微細化・高速化にともない、そこで扱われる液体の粘弾性やぬれ性を高時間分解能で正確に把握することが求められている。この要求に答えるために我々が開発した微小液的射出・観察システムと、それを用いて0.1 ms以降の表面時間領域においてサブミリ秒の分解能で動的表面張力の測定を可能とした液体物性計測装置を紹介する。ほかに、簡単かつ正確に液体粘度を計測する技術や、液体表面粘度を測定する手法などを紹介する。

会期 2017年10月13日
行事名 ソフトマター・バイオ界面の力学とその計測
会場 化学会館
連絡先 日本化学会 コロイドおよび界面化学部会
鷺谷 / 河瀬
dcsc@chemistry.or.jp
03-3292-6163
URL https://colloid.csj.jp/201706/2017hitech/