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イベントカレンダー

講演会・シンポジウム

化学技術基礎講座2019 製品開発に必要な有機合成化学の基礎

主催:日本化学会産学交流委員会
会期:2019年9月30日・10月1日
会場:化学会館 アクセス

主査:岩澤伸治(東工大理)

趣旨:有機合成化学は、電子材料分野、医薬品分野、環境・エネルギー分野などの幅広い分野において、機能性素材を製造するための重要な基盤技術となっている。本コースでは、素材の製品設計に必要な有機合成化学の基礎と最近のトピックを学べる講座を企画した。今回のトピック講義は、(1)フロー精密合成による「ものづくり」のイノベーション、(2)有機化合物への含フッ素官能基の触媒的導入反応、(3)各講座の最新トピック(有機分子触媒による不斉触媒反応、合成手法の進歩に伴う合成戦略の変化、理論計算の活用実例 等)を取り上げる。

対象:当該分野の化学的知識を基礎から学びたいと考える技術系新入社員。人事異動や配置転換、新規事業の開始等によって、新たに当該技術の知識獲得を目指す中堅技術者および研究者。化学企業への就職を希望する化学系学生。

参加費:個人正会員(法人会員含む)28,000円、学生会員 10,000円、非会員 45,000円

 ※会期初日夕刻の懇親会費は無料、2日間の昼食代は上記参加費に含みます。
 ※法人会員企業一覧は こちら よりご確認ください。

申込方法:チケット申込サイト「Peatix」よりお申込みおよび事前決済を行ってください。
     詳細はリンク先にてご確認ください。
     https://kagakukai.peatix.com/

申込期限:お支払い方法により申込期限が異なります。
 請求書...開催14日前、コンビニ・ATM...開催1日前、クレジットカード...イベント終了時刻 
 ※請求書の支払期限は、発行日より35日後。但し開催まで35日未満のお申し込みの支払期限については、各請求書をご確認下さい。

募集人数:50名(10名より催行)

プログラム

9月30日(月) 10時~18時20分 (終了後懇親会)

10:00-10:10 本研修の全体像、趣旨
        岩澤伸治(東工大理)

10:10-11:30 有機合成の基礎:炭素-炭素結合形成反応
        髙井和彦(岡山大院自然)

有機合成の基本である炭素-炭素結合形成反応と酸化還元反応のうち、炭素-炭素結合形成反応の基本を解説する。有機化学と有機合成化学の違い、有機合成を勉強するときに役立つ情報、さらに実験室で合成実験をおこなうときの注意点、文献の探し方などについても述べる。

11:30-11:40 インキュベーションタイム

11:40-13:00 有機合成の基礎:実験室での酸化・還元から工業的な酸化まで
        岩澤伸治(東工大理)

複雑な有機化合物を合成する際、基本となるのは炭素骨格形成のための炭素-炭素結合生成反応と官能基の変換反応の二つである。両者は有機合成の縦糸と横糸の関係にある。後者の代表が酸化・還元反応である。本講演では、フェノールの合成法として大規模に実施されているクメン法のような工業的酸化反応から医薬品など精密化学製品の合成のための実験室的な酸化還元反応まで幅広く解説する。さらに不斉酸化、不斉還元についても触れる。

13:00-14:00 ランチミーティング

14:00-15:20 炭素-炭素結合形成:アルドール反応から有機分子触媒まで
        秋山隆彦(学習院大理)

基本的な炭素-炭素結合形成反応として、アルドール反応に着目し、古典的な方法論から、ジアステレオ選択的反応、触媒的なエナンチオ選択的なアルドール反応までを概説し、立体制御の方法論について解説する。さらに近年注目を集めている有機分子触媒について、キラルブレンステッド酸触媒を中心に紹介する。

15:20-15:30 インキュベーションタイム

15:30-16:50 医薬品・電子材料で注目されるヘテロ環の化学
        徳山英利(東北大院薬)

医薬品・電子材料にはヘテロ環を含むものが多く、骨格の構築法に加え、望みの位置への置換基導入が問題となる。特に最近、古典的な反応に加え、遷移金属触媒やラジカル反応を用いた骨格構築および官能基化が注目を集めている。本講義では、基本的なヘテロ環を取り上げ、それらの構築法と修飾法について概説し、医薬品や天然物の合成に応用された例について紹介する。

16:50-17:00 インキュベーションタイム

17:00-18:20 理論計算で切り拓くものづくりの化学
        内山真伸(東大院薬・理研)

有機化学が対象とする分子・現象には「手に取り出せないもの」「目には見えないもの」が数多く存在する。反応遷移状態、不安定高活性種、物性予測、軌道間相互作用などもその一つである。これらをいかに合理的にデザインするかが、ものづくりに大変重要である。本講義では、前半に「ものづくりに活かすための理論計算の基礎・考え方・使い方」を概説し、後半では「実験と理論の融合による反応開発・機能創出研究の進め方」などについて最近の実例を交えながら紹介する。

18:30-19:30 懇親会

10月1日 9時30分~17時20分

09:30-10:50 複雑な化合物を合成するときの合成戦略
        井上将行(東大院薬)

プロスタグランジンなどの生理活性天然有機化合物を合成ターゲットとして取りあげ、1)逆合成解析の基礎(結合切断や等価変換など)、2)有機合成の三要素(炭素骨格の構築、酸化度の調節、立体化学の整備)、3)合成手法の進歩に伴う合成戦略の変化(不斉合成、対称性の利用)、などについて解説する。

10:50-11:00 インキュベーションタイム

11:00-12:20 有機金属化学の基礎とクロスカップリング反応
        小澤文幸(京大化研)

クロスカップリング反応は基質適用範囲が広く、遷移金属触媒を用いる炭素-炭素結合形成の定番反応として、低分子から高分子に至るまで、有機化合物の合成に幅広く利用されている。有機金属反応剤を用いる従来の反応に加え、最近では、C-H結合活性化を素反応とするクロスカップリング反応の有用性が高まっている。本講では、触媒サイクルを構成する各素反応について述べるとともに、反応に用いられる触媒前駆錯体と配位子の特徴について、実例を用いて解説する。

12:25-13:10 ランチミーティング

13:10-14:30 再沈操作と晶析操作との接点―結晶化から連続フロー製造まで―
        滝山博志(東京農工大院工)

化成品製造、新素材開発の現場では、精製や粒子群製造の目的で「再沈」や「再結晶」と呼ばれる操作が行われる。ところが、その操作の少しの違いが、結晶化物質の品質に影響を与え、生産性にも大きな影響を与える。例えば、純度、粒径分布、形状、結晶多形に関わる問題である。この結晶性物質に品質を作り込むプロセス技術が「晶析」操作であるが、今回は、何をすれば結晶化が上手く制御できるのかについて、最近の連続フロー製造などのトレンドにも触れながら紹介する。

14:40-15:40 有機フッ素化合物:基礎から最近の合成技術まで
        網井秀樹(群馬大院理工)

有機フッ素化合物は、医薬、農薬、液晶材料、高分子材料などの様々な産業分野において利用されている。本講義では、まず、有機フッ素化学の基礎(フッ素原子が醸し出す特異な性質とその発現の原理)について述べる。ここ数年で飛躍的に発展した「有機化合物への含フッ素官能基の触媒的導入反応」について、国内外の研究動向を紹介する。

15:50-17:10 フロー精密合成による「ものづくり」のイノベーション
        小林 修(東大院理)

「持続可能な社会」においては、環境に負荷をかけない、真に効率の高い、安全・安心に行うことのできる革新的製造プロセスの開発が必須である。我が国の将来を担うファインケミカルの製造は、現在、ほぼ100%バッチ法で行われているが、ここでも革新が求められている。本講では、バッチ法に代わる新手法として注目されている流通法に基づく連続製造法、その鍵を握るフロー精密合成について概説する。

17:10-17:20 まとめ
        岩澤伸治(東工大理)

会期 2019年9月30日・10月1日
行事名 化学技術基礎講座2019 製品開発に必要な有機合成化学の基礎
会場 化学会館
連絡先 日本化学会企画部 担当:高塚 / 河瀬
E-mail: sangaku@chemistry.or.jp
電話03-3292-6163
URL http://ptix.at/QpsP4H