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実行委員会企画(中長期テーマ)

はじめに

春季年会では、中・長期戦略に基づくシンポジウムを春季年会実行委員会と学術研究活性化委員会の合同企画として継続的に実施しております。第89春季年会では下記6件を実施予定です。

※下記情報は化学と工業1月号掲載のものです。最終のプログラムは化学と工業3月号をご覧下さい。

ケミカルバイオロジー研究の最前線-新研究分野としての未来-

企画担当者:上村 大輔(慶應大理工)

一昨年度、昨年度の本年会において、委員会企画および第2次先端ウォッチングとしてケミカルバイオロジーに関する講演会が行われ、学会参加者の高い関心が示された。また、科学研究費時限付基盤研究(C)も立ち上がり、研究分野としての位置づけにおいて重要な時期にさしかかっている。本講演会では当該分野の新展開を支える有機化学はもちろんのこと、その関連分野の基礎研究と生物・医学分野の応用研究をあげながら、医農薬、生体関連化学、天然物化学などの各ディビジョンを横断的に統合したケミカルバイオロジー研究の未来を議論したい。

プログラム:3月27日(金)

       
座長 木越 英夫
09:30-09:40 趣旨説明(筑波大院数理物質)木越 英夫
09:40-10:00 自己と非自己の認識に関するケミカルグリコバイオロジー(阪大院理)深瀬 浩一
座長 塚本 佐知子
10:00-10:20 翻訳後修飾に着目した新規植物ペプチドホルモン候補探索(名大院生命農)松林 嘉克
座長 佐々木 誠
10:20-10:40 有機合成化学によるイオンチャネル機能の制御・構築(東大院薬) 井上 将行
座長 只野 金一
10:40-11:00 新規グルタミン酸受容体リガンドの開発(阪市大院理)大船 泰史
座長 末永 聖武
11:00-11:20 アルドラーゼを用いた化学・酵素ハイブリット法での糖類合成の展開(味の素アミノサイエンス研)杉山 雅一
座長 千田 憲孝
11:20-11:40 環状ペプチド天然物の全合成と機能解明に向けたアプローチ(東北大院薬)土井 隆行
座長 上田 実
11:40-12:00 生理活性分子の標的同定(京大化研)上杉 志成
座長 村田 道雄
12:00-12:20 抗生物質二次代謝系の精密解析(東工大院理)江口 正
12:20-12:30 まとめ(阪大院理)村田 道雄

第一遷移元素−触媒作用の新展開

企画担当者:高井 和彦(岡山大院自然科学)

貴金属化合物の高騰ならびに「元素戦略」とも関連し、安価で毒性の少ない鉄、マンガン、ニッケル等の第一遷移元素(いわゆる汎用金属)が脚光を集め、これら遷移金属錯体を用いた新たな触媒反応開発が注目を集めている。本シンポジウムではこれら最先端の研究を行っている研究者を一堂に会し、現状と今後の展望について紹介する。前半の話題の中心は鉄触媒の反応であり、後半はニッケル触媒の反応である。

プログラム:3月28日(土)

座長 高井 和彦
13:30-13:40 趣旨説明(岡山大院自然)高井 和彦
13:40-14:10 鉄触媒を活用する精密炭素−炭素結合生成反応(京大化研)中村 正治
座長 中村 正治
14:10-14:30 鉄触媒と有機金属反応剤を用いる芳香族C-H結合の直接変換反応(東大院理)○吉戒 直彦・中村 栄一
座長 吉戒 直彦
14:30-15:00 鉄-銅協同触媒を用いるGrignard反応剤の反応(京大院理)白川 英二
座長 白川 英二
15:00-15:20 コバルト触媒を用いる有機合成反応(京大院工)○依光 英樹・大嶌 幸一郎
座長 依光 英樹
15:30-15:50 マンガン触媒を用いる有機合成反応(岡山大院自然科学)○國信 洋一郎・井 和彦
座長 國信 洋一郎
15:50-16:10 ニッケル触媒を用いた高選択的炭素-炭素結合形成反応(長崎大工)木村 正成
座長 木村 正成
16:10-16:30 ニッケル触媒を用いる炭素−水素および炭素―炭素結合への不飽和化合物の挿入反応(京大院工)○中尾 佳亮・檜山 爲次郎
座長 中尾 佳亮
16:30-17:00 ニッケル錯体触媒−量論反応と触媒反応−(阪大院工)生越 専介

In vivo 生体分子科学の展開

企画担当者:民谷 栄一(阪大院工)

生体の有する優れた分子機能(分子情報変換、エネルギ変換、物質変換など)を理解し、これらをバイオ分子システムとして制御し、あるいは人工的に再構成し、究極的には生物を越える機能をも実現すること、またそのためのサイエンスを構築することは、ケミストリーにとって21世紀における有用な課題の1つであろう。こうした研究を進める上では、生きた状態(in vivo)での制御や解析が必須である。そのためには、生体分子ブロープ、細胞操作、バイオイメージング、バイオチップ、バイオセンサーなど生体に負荷を与えない手法の研究やそのためのコンセプト提案が求められる。  本シンポジウムでは、中長期テーマとして取り上げている“生体分子科学の展開(ナノバイオを含む)”の中で中枢となるin vivoへの展開として化学会が推進すべき研究テーマを以下に具体例を示し、関連する分野の研究者、技術者との熱心な研究討論を期待したい。

プログラム:3月28日(土)

座長 民谷 栄一
09:30-09:45 Opening Remark:in vivo 生体分子科学の展開(東農工大院共生科学)松永 是
09:45-10:15 マイクロ流体デバイスによる細胞や生体分子のハンドリング(北陸先端大マテリアルサイエンス)高村 禅
座長 植田 充美
10:15-10:45 ラマンスペクトルで明らかにする“生きた細胞” (東大院理) M口 宏夫
10:45-11:15 単一細胞トレーサブルフェムトインジェクションによる分化制御機構解析(東農工大院工)松岡英明
座長 小澤 岳昌
11:15-11:45 蛍光寿命イメージング測定と細胞内環境(北大電子研)太田 信廣
11:45-12:00 総括(阪大院工)民谷 栄一

革新的ハイブリッド物性を実現するナノ物質科学-金属錯体から次世代ナノハイブリッド材料への展開と展望-

企画担当者:山下 正廣(東北大院理)

太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス素子など、現在の先端機能デバイス 開発では金属錯体が重要な役割を演じている。更なる高機能デバイスの創出とそれを支える基礎科学の展開には、金属錯体の科学の飛躍的発展が不可欠である。本シンポジウムでは、錯体化学を基盤とする有機無機複合材料の創製と機能探索を「革新的ハイブリッド物性を実現するナノ物質科学」という新しい学問分野と位置づける。分子レベルでの異種物質の複合化により、従来にない量子効果や非線形応答、あるいは磁性、伝導性、光物性、誘電性、触媒作用などの物性・機能の競合・協奏が期待できる。本シンポジウムでは、形成されつつあるこの分野のフロント・ランナーによる講演を通じて、研究展開の現状と将来展望をベテランおよび若い研究者とともに活発に議論したい。

プログラム:3月28日(土)                                

座長 中村 貴義
13:30-13:40 趣旨説明(東北大院理)山下 正廣
13:40-14:10 磁気化学を基盤とした新奇複合機能物質の探索(東大院理)大越 慎一
14:10-14:40 分子の貯蔵・分離,変換場となる有機‐無機ナノハイブリッド物質の創製(東大院工)○内田 さやか・水野 哲孝
座長 阿波賀 邦夫
14:40-15:25 高温超電導体の新大陸:鉄系層状物質(東工大フロンティア・東工大応セラ研)細野 秀雄
座長 小島 憲道
15:35-16:05 有機分子、金属微粒子を用いた光分子エレクトロニクス(京大院工)松田 建児
16:05-16:35 有機無機ナノ複合系における固体電気化学(名大院理)阿波賀 邦夫
座長 山下 正廣
16:35-17:20 ナノサイズ鉄酸化物・鉄硫化物添加による微生物燃料電池電流密度の増大(東大院工)橋本和仁
17:20-17:30 シンポジウム総括(名大院理)阿波賀 邦夫

分子系包接環境における光化学

企画担当者:井上 晴夫(首都大院都市環境)

分子-超分子系-分子集合系-包接環境における分子・超分子系・分子集合系-組織系-生命系という階層的ボトムアップ構造の視点からは、現代化学のフロンティアはすでに分子、分子系の化学を超えて、周囲の溶媒分子系を含めて、有機/無機格子系などの多様な包接環境における分子・超分子系・分子集合系の化学現象の解明とその機能発現の新領域に入りつつある。1)様々な分子・超分子系・分子集合系を包接する微小環境の合成とキャラクタリゼーション、2)包接する微小環境との相互作用、3)包接する微小環境における化学、4)分子系および包接系としての機能発現、などが新領域における研究最前線を形成している。特に包接する微小環境における光化学は「機能発現」におけるフロンティアとしてその進展が著しい。中でも、有機/無機複合材料は、(1)無機物単体あるいは有機物単体には見られない物性や機能を発現する、(2)無機物と有機物とによる相乗的な長所発現が期待できる、(3)有機分子、分子系を包接する格子環境として無機物は特異な環境を提供する、などの理由で近年大きな注目を集めている。本シンポジウムでは、「有機化学」、「無機化学」、「光化学」を横断する新領域の現状と将来を俯瞰する。

プログラム:3月28日(土)

座長 井上 晴夫
13:30-13:40 趣旨説明(首都大院都市環境・SORST/JST)井上 晴夫
13:40-14:10 無機包接化合物の合成研究から光化学に期待すること(早大理工)黒田 一幸
14:10-14:30 ナノ層状環境におけるポルフィリンの光化学(首都大院都市環境・さきがけ/JST)高木 慎介
座長 宇佐美 久尚
14:40-15:10 光化学プロセスを利用したナノ・メソ材料の構造制御(名大院工)関 隆広
15:10-15:30 無機超薄層による柔構造空間の形成と光化学への展開(東農工大院BASE)中戸 晃之
15:30-16:00 クロロフィル集積体の光化学(立命館大薬)民秋 均
座長 笹井 亮
16:10-16:30 超分子的包接環境場におけるラジカル型中間体 -ゼオライトによる捕捉と有機ELへの応用-(阪府大院工)池田 浩
16:30-17:00 光捕集機能を有するメソポーラス有機シリカの光化学(豊田中研)稲垣 伸二
17:00-17:20 低次元無機-有機複合系の光化学(山口大院医)川俣 純

分子制御材料テクトニクスの開拓学

企画担当者:河本 邦仁(名大院工)

材料化学構築学(テクトニクス)の開拓にあたって見習うべき手本となるのが自然界における“ものづくり”の姿である。バイオミネラルの構造やその自己組織的形成過程を倣うことによって、低環境負荷・省エネルギーで、精密な階層構造を有する高機能材料を合成する分子制御新機能材料創製は、近年非常に精力的に研究が行われている。本シンポジウムでは、有機分子や無機成分からなる材料構築の基本単位となるテクトンが、相互に作用しあいながら精緻な機能構造を自己組織的に形成していく新しい分子制御材料テクトニクスに関する討論を行う。機能構造を精密に設計した合成有機分子あるいは生体分子誘導体の持つ特異的作用に着目し、その特性を十分に生かした基本単位となるテクトンをデザインすることで、機能性材料の精密な3D構造制御とその階層的な構造に由来する量子・化学機能等の発現の可能性を展望する。

プログラム:3月28日(土)

座長 松田 厚範
09:00-09:05 趣旨説明(名大院工)河本 邦仁
09:05-09:30 有機高分子を基盤とする自己組織化による機能性有機無機複合体の開発(東大院工)加藤 隆史
座長 中平 敦
09:30-09:55 金属錯体テクトンの触媒反応による多形・形態制御とナノ量子機能の発現(名大院工)○片桐 清文・河本 邦仁
座長 大瀧 倫卓
09:55-10:20 マルチスケール多相構造制御による材料テクトニクス(京大院理)中西 和樹
座長 田中 勝久
10:20-10:45 多核金属錯体をテクトンとする溶液プロセスによるナノフォトセラミックス(東北大多元研)垣花眞人
座長 片桐 清文
10:45-11:10 有機介在型階層性無機結晶のボトムアップ合成と機能材料への展開(慶應大院理工)今井 宏明
座長 田中 優美
11:10-11:35 バイオ系ナノファイバー/無機ハイブリッドによる高機能テクトンの開発(東大院農学生命科)磯貝 明
座長 大槻 主税
11:35-12:00 ナノ有機-無機ハイブリッドによるバイオ応用(東医歯大生材研)佐々木 善浩
12:00-12:10 総括(名大院工)河本 邦仁