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【開催報告】関東支部講演会「次世代エネルギー材料開発の現状と課題」

2015年9月24日

日本化学会関東支部主催の講演会「次世代エネルギー材料開発の現状と課題」が18日(金)10時から17時30分まで、化学会館7階ホールで開催された。次世代自動車用の動力源や電源用の燃料電池を中心に材料開発の将来動向と課題、研究最前線の成果などについて最新の情報が紹介された。産学官の各分野から約90名が参加、熱心に聴講、質疑応答が行われた。午前の部、午後の部終了後にはそれぞれ名刺交換会の時間が設けられ、会場内で情報交換が続いていた。
 今回の講演会は関東支部主催、自動車技術会、日本自動車工業会、高分子学会、電気化学会など関連学協会協賛で開催した。はじめにトヨタ自動車の射場英紀電池研究部長(日本化学会論説委員)からハイブリッド車の現状と課題、次世代電池候補である全個体電池や金属空気電池などの材料や技術的課題について指摘があり、今後さまざまなブレイクスルーが不可欠であると述べた。
 続いて矢部孝東京工業大学名誉教授・株式会社エネルギー創成循環取締役会長「マグネシウム燃料電池実用化の最前線 -携帯電話から自動車まで-」のテーマで、新しく開発したマグネシウム燃料電池についての概要と携帯電話から自動車まで広範な用途で利用できることを明らかにした。
 金村聖志首都大学東京大学院教授が「高エネルギー密度電池のための材料化学」のテーマで、リチウム金属負極を用いる電池のほか、Mg、Ca、Alなどの多価イオンを利用する電池について将来の可能性と開発現状を詳細に述べた。また渡辺政廣山梨大学特任教授・燃料電池ナノ材料研究センター顧問は「次世代燃料電池のための材料開発とその性能」の題名で新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のHiPer-FCプロジェクトの目的と実施体制、研究開発テーマの概要について紹介した。
 江口浩一京都大学大学院教授は「エネルギーキャリアとしてのアンモニアの利用と燃料電池発電への展開」のテーマで将来水素キャリアとして期待さされているアンモニアについての高効率な燃料電池の利用などの可能性を示した。吉武優燃料電池開発情報センター常任理事は最終講の「燃料電池用電極触媒の開発動向と課題」で固体高分子形燃料電池(PEFC)用電極触媒の最新開発動向を紹介し、低Pt化・非Pt化技術の確立、ケミカルコジェネレーションなどの技術確立など今後の開発が急務であると指摘した。

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