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【開催報告】化学技術基礎講座「高分子の構造物性相関解明のためのキャラクタリゼーション講座 」

2015年11月25日

日本化学会産学交流委員会主催の化学技術基礎講座「高分子の構造物性相関解明のためのキャラクタリゼーション講座 -複雑な構造もやり方一つでここまで分かる!入門から応用まで徹底講義」が11月19日(木)、20日(金)の2日間、千代田区神田駿河台の化学会館で開催された。企業、公的研究機関から41名が参加、熱心に聴講した。
 化学技術基礎講座は大学で化学を履修した後、化学的知識を基礎から学びたいと考える技術系新入社員や人事異動や配置転換、所属企業の新規事業開始などの機会に新たな技術、知識が必要な中堅技術者や研究者、また化学企業への就職を希望する化学系学生などを対象に開催しているもので、有機合成、高分子、化学工学、電子部品・材料などの技術領域で行われている。
 今年の「高分子の構造物性相関解明のためのキャラクタリゼーション講座」では単なる入門講座ではなく、「基礎概念導入を皮切りにとことん突っ込んだキャラクタリゼーションテクニックまで系統的に教授する」(主査・田代孝二豊田工業大学教授)ことを主眼にプログラムを編成した。
 初日の19日は田代教授の開催趣旨説明からスタートし、元ブリヂストンの加藤信子氏が「製品開発のための高分子キャラクタリゼーション~その威力を発現するには~」をテーマに高度な分子設計、金属・無機材料との複合化、ハイブリッド化などのイノベーションを支えてきた高分子キャラクタリゼーションについて、企業における具体的な事例を多く紹介しながら、新製品開発に必要なマインドセット、今後の展望まで詳細に解説した。続いて佐々木園京都工芸繊維大学准教授が「高分子の結晶、非晶、高次構造解析」で高分子の高次構造から広角および小角X線散乱法の原理、構造解析、さらに放射光の高輝度X線を用いた構造解析など最先端の構造研究について講演した。
 このあと田代教授が「高分子鎖の形態と原子間・分子間相互作用(振動分光)」、「ここまでわかる最先端の高分子キャラクタリゼーション(その1)」と連続講義を行い、振動分光の高分子への応用、実際の構造解析への応用事例、最先端の高分子キャラクタリゼーションの応用事例を交え、高度な内容を分かりやすく解説した。
 2日目には中村洋京都大学工学研究科准教授が高分子の特徴的な量である「分子量と分子量分布」についての定義と概念から分子量とその分布の決定方法について基礎から最先端までを分かりやすく解説、続いて浅野敦志防衛大学校応用化学科准教授が「高分子の構造と運動性」のテーマで高分子の静的構造、動的構造の理解に不可欠なNMR法の技術、ノウハウについて講義した。
 午後は田代教授が「ここまでわかる最先端の高分子キャラクタリゼーション(その2)」、田代教授、佐々木准教授が「高分子の新しい姿を捉える-最先端巨大科学」で放射光や中性子施設など最新巨大科学の高分子研究に対する貢献について、具体的事例をあげて紹介した。
 講義終了後、田代教授を座長に総合ディスカッション「高分子キャラクタリゼーションの難しさと重要性」が行われ、佐々木准教授、中村准教授、浅野准教授も参加し、試料づくりから広角および小角X線散乱法、放射光の利用など経験を踏まえ、さまざまな角度から難しさと重要性について論評、集中討議が行われた。
 2日間の講座中、インキュベーションタイム、ランチミーティング、懇親会などが行われ、参加者はさまざまな機会をとらえ質疑応答、情報交換をしている様子が多くみられた。

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