日本化学会

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会長メッセージ 科学技術の総力を挙げる日本と化学の貢献(お願い)

2012年1月12日

公益社団法人 日本化学会 会長  岩澤 康裕

2011年3月の東日本大震災と福島第一原発事故から10か月が経過し新たな年を迎えました。言葉で表せないほどの甚大な被害をうけられた被災者の方々に改めて心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 今、世界は水を含む資源、エネルギー、食糧、自然災害の多発への対応など人類共通の解決すべき大きな課題を抱えています。人類が長い進化の過程で奇跡的に得た頭脳の進化は、科学・技術の創造と発展を使命とする科学者・技術者を生み出し、社会の発展を牽引、支えてきました。今日的な新しい課題においても科学・技術に期待するものはきわめて大きく、なかでも化学はこうした喫緊の世界的課題の解決に貢献することが可能です。
昨年の世界化学年では全世界で2000以上のイベントが開催され、化学の価値と重要性、若者の教育・人材育成の必要性を世界が訴えました。

グローバル大競争繚乱時代において、資源・エネルギーに乏しいわが国が将来とも持続可能な文化的国家として生き残っていくためには、化学がリードして科学・技術による力強い日本の構築と産業の発展が強く望まれます。科学・技術・産業の発展、若者の教育・人材育成に力を注ぎ、強い競争力とより安全な社会を確立するための早急な政策・施策が必要不可欠です。
また、国は未曽有の惨禍を次世代に残さない政策・施策を作成し、実施することが必要です。科学者コミュニティも、大震災と原発事故への対策が十分であったかどうか、国民生活の安全確保について責任を果たせたのか、これまで積み上げられてきた科学・技術に対して批判的に自己検証を行う必要があります。公益社団法人日本化学会は、すでに広域の除染の問題、エネルギー問題など喫緊の課題について講演会、パネルディスカッションを行うなどの活動をしてまいりました。今後も社会の課題に対して、化学が果たす役割や貢献を発信していく必要があると考えます。

日本化学会では、2011年11月に新たな産学連携事業として早稲田大学にて第1回「化学フェスタ」を開催致しました。「エネルギーと化学」をテーマに種々のテーマシンポジウム、企業情報成果シンポジウム、ノーベル化学賞解説シンポジウム、大型PJ成果発表、学生ポスター発表など、1000名以上が参加し成功裏に終わりました。春季年会(9000名参加)と対比される目玉の秋季事業として毎年開催されることが決まっています。4000名規模の秋季事業として恒常化し、春季年会と秋季化学フェスタの両方で「化学」の存在感と産学官の研究・開発の成果と貢献をコミュニティと社会にアピールしたいと考えております。

 あらためて申し上げます。わが国が有限の地球上で豊かな持続的社会を構築し,先進国の中でプレゼンスを高め、国際貢献を果たすことができるのは、わが国の世界を先導する科学・技術と高い教育が基盤です。会員各位には高い誇りと責任をもって,「化学」を基盤としてわが国及び人類社会の発展に貢献して頂きたいと願っております。日本化学会は皆様と一緒に、強い意志と使命感、気概と胆力を持って総力を挙げて2012年を輝き魅力ある化学界と力強い豊かな日本にすることを共有したいと思います。
会員各位の本年のご発展を祈念すると共に日本化学会へのご支援ご協力を切にお願い申し上げます。