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【開催報告】R&D懇話会181回 スピントロニクスの科学と化学 基礎から応用まで

2015年6月11日

日本化学会のR&D懇話会第181回 定例会が6月5日(金),千代田区神田駿河台の化学会館で開催された。今回は「スピントロニクス」をテーマに,佐藤勝昭科学技術振興機構・研究広報主監が「スピントロニクスへの期待」,齊藤英治東北大学金属材料研究所・原子分子材料科学高等研究機構・教授が「スピン科学の進展」について講演,解説し,25人が聴講した。

佐藤氏はスピントロニクスの学問分野を俯瞰し,スピンに関わる現象の発見から巨大磁気抵抗効果やトンネル磁気抵抗効果などについて解説した。理想的な系の構築を目指して試行錯誤してきた佐藤氏自身の経験も交えて語った。また,従来は電荷の流れに付随するものでしかなかったスピンの流れを純粋に取り出し,観測する分野の創出についても触れた。

齊藤氏はイットリウム鉄ガーネット(Y3Fe5O12)中のスピン波を介して電気信号を送信することに成功しており,この研究を進めた際の指導原理をわかりやすく解説した。「スピン波は通常μmの距離で途絶えてしまうが,スピンの歳差運動の一方向性をうまく整流性をもたらす仕組みとして利用する系をデザインできれば更なる発展が見込めるのではないか」と研究の展望を述べた。

R&D懇話会では講演の後に意見交換会を催しており,参加者が講師らを囲み,意見交換,議論をする場面が見られた。

2015年度のR&D懇話会は今回で3回目。次回以降は9月「フォノンエンジニアリング~ナノスケール熱制御とそのための材料開発~」,10月「富士フイルムの研究開発戦略(仮)」,12月「(未定)」をテーマに開催する予定。

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