「夢・わくわく化学展2001」実験DVD
 ふんわりカルメ焼き
 

おたまで作るカルメ焼き(巻末参考書1参照)

おたまで作るカルメ焼きでは、使うアルミのおたまと温度計に少し工夫が必要です。おたまには持っても熱くないように取っ手に布とガムテープを巻き付けます。また、継ぎ目に支持台となる針金を巻きつけ、置いた時にひっくり返らないようにします。
温度計には両側からわりばしをはさみ、セロテープで固定します。こうすれば、温度を確認しながら砂糖溶液をかき混ぜることができます。

●重曹卵を作る
@ 卵を割って白身を取り出します。
【メモ】Mサイズの卵からは約17gの卵白が取れます。この量だと50〜60人分の実験が可能です。
A取り出した白身を大さじ1杯分、小鉢に取り分けます。
B小鉢に取り分けた白身に重曹を加えます。
Cある程度加えてから練ります。時々さわってみて、耳たぶと同じ硬さになったら重曹を加えるのをやめます。
D小さじ1杯程度のグラニュー糖を加えます。 【グラニュー糖】分散剤の役目なので、多少入れ過ぎても大丈夫です。
Eねっとりなるまで練ります。
Fふわっとシュークリーム状に柔らかくなったら、重曹卵のできあがりです。

●おたまでカルメ焼きを作る
@ガスコンロに金網、アルミのおたまをセットします。
Aガスに点火し、中火にします。
Bおたまに、白砂糖をカレー用スプーンで山盛り3〜4杯入れます。
C砂糖がひたひたになるまで水を加え、沸騰するのを待ちます。
Dはじめは白く濁っていますが、砂糖が溶けてくると透明になります。そして溶液の温度が100℃前後になると、溶液の端から大きな泡が出てはすぐ消える状態になります。吹きこぼれないように、わりばし付き温度計でかき混ぜます。 【コツ】おたまを少しずらして、底にも十分熱が行き渡るようにします。
Eやがて温度が110℃前後になると、泡が細かく粘りが出てきます。温度が100〜110℃では上昇のしかたがゆるやかですが、110℃を越えると上昇速度が速くなります。
F温度が115℃になったら、火力を弱火にします。
G温度が120℃を越えると、溶液全体にねっとりした泡が出てきて静かになります。かき混ぜます。
H温度が125℃になったら、火をとめ、ガスコンロから下ろし、乾いたタオルに置きます。
I泡が出なくなるまで待ちます。15秒程度です。
J砂糖溶液に重曹卵を小豆〜大豆粒ほど入れ、わりばしで溶液全体を激しくかき回します。最初は白色、しだいにクリーム色、うす黄色に溶液が変化していきます。
Kやがて溶液に粘りが出てきて、かき回しているわりばしの跡がはっきり残り、おたまの底が見えるようになったら、わりばしを抜きます。
Lぷーっとふくらみます。
Mふくらみ終わったら、ぬれたタオルに移し、おたまを冷やします。30秒から1分ほど冷やします。
Nガスに点火し、中火にします。
Oおたまをくるくる回しながら熱します。おたまとの境目の固まりが溶けるのを待ちます。
P溶けたら火から下ろし、おたまをななめにして、オーブンシートの上に中身を取り出します。カルメ焼きのできあがりです。
【失敗1〜温度が高すぎた(140℃)場合】ふくらみません。色が茶色になり食べても苦みがあります。
【失敗2〜温度が低すぎた(110℃)場合】ふくらみません。色は真白のままです。




カップで作るカルメ焼き(巻末参考書2.3.4参照)

●カップ(発泡容器)を作る
@紙コップ2個(1個は半切りしたもの)、アルミホイル、オーブンシート、ダンボールで作った型台を用意します。 【型台】ダンボールを4枚貼り合わせ、中央に紙コップ大の穴を開けます。
A 紙コップをひっくり返して置き、紙コップの底にオーブンシートをかぶせ、半切りした紙コップでぎゅっと押さえます。
B Aをそのまま型台の穴に入れます。
Cオーブンシートのしわを伸ばして、紙コップだけをぬきます。カップ(発泡容器)のできあがりです。
Dカップの底に重曹卵を大豆粒ほど入れておきます。

●カップカルメ焼きに挑戦
@上白糖を用意し、おたまにカレー用スプーンで大盛り3〜4杯(約40g)入れます。 【コツ】多少多めに入れてもかまいません。
A水をひたひたになるまで加えます。
Bガスに点火して、中火にします。
Cおたまのふちについた砂糖がこげつかないように十分にかき混ぜます。
D110℃を越えると、溶液全体からまんべんなく細かい泡が出て、しだいに粘りが出てきます。ここから、温度上昇が速くなります。
E溶液の温度が125℃になるまで断続的にかき混ぜます。
F125℃になったら、重曹卵入りカップ(発泡容器)に注ぎ込みます。
G泡が出なくなるのを待ってから、わりばしで溶液全体を激しくかき回します。
Hやがて溶液に粘りが出てきて、わりばしの跡がはっきり残るようになったら、わりばしを抜きます。
Iぷーっとふくらみます。
J少し冷まし、指でさわって熱くないのを確かめてから、カップからオーブンシートごと取り出します。
Kオーブンシートを広げ、中身を取り出します。カルメ焼きのできあがりです。

*グラニュー糖を使うと白いカルメ焼きができます。
*食紅を混ぜた重曹卵を入れておくと、赤いカルメ焼きを作ることができます。
*抹茶を混ぜた重曹卵を入れておくと、緑色のカルメ焼きを作ることができます。

参考になる本
1)高梨賢英著 「カルメ焼きはなぜふくらむ」 さ・え・ら書房(1990)
2)高梨賢英著 「砂糖と塩の実験」 さ・え・ら書房(1997)
3)高梨賢英著 「化学と教育」 44巻1号 p42−43 (社)日本化学会(1996)
4)高梨賢英著 「科学技術体験活動マニュアルVol.2」 p65 (財)日本科学技術振興財団(1996)


 

contents


■ 炭とアルミの電池

■ 光で汚れを落とす?

■ ふんわりカルメ焼き

■ 液晶って何だ?

■ 時間と空間のリズム反応

■ 水を捕らえる不思議な粉

■ CDで光のプリズム

■ 虹色のアルミ

■ 先生紹介