「夢・わくわく化学展2001」実験DVD
 虹色のアルミ
 

実験方法

準備するもの
材料,試薬
純度の高いアルミニウムの板,炭素電極 硫酸,リン酸,硫酸ニッケル,硫酸第一スズ,硫酸銅,ホウ酸,トリエタノールアミン

器具,装置
直流電源,スライド式レギュレーター(スライダック),500mlビーカー,回転式かくはん装置,電極を固定するスタンド2台,ラボジャッキ




実験

1.ニッケル,銅,金の着色
1-1.陽極酸化
・電解液:500mlのビーカーに純水を半分程度入れ,硫酸28mlをゆっくり加え,更に純水を加えて500mlとします.回転式のかくはん装置で液をかくはんします.
・電源:直流電源を準備し,テスターをつないで出力電圧を20Vに設定します.
・電極:純度の高いアルミニウムの板を2枚準備します.小さい方(1.5cmX7cm程度)を試料として陽極に,大きい方(10cmX20cm程度)をビーカーの内側に沿わせて陰極にします.
・約30分間電気分解し,陽極のアルミニウム板の表面に陽極酸化皮膜を成長させます. (この方法でアルミニウムの表面にできる酸化皮膜は,非常に細かい孔がたくさんあいています.) ・電源を切り,試料を取り出して純水で充分に洗浄します.

*アルミニウムは電気を良く通すのに対して,アルミニウムの陽極酸化皮膜は電気を通しません.そため,テスターを使って試料表面の抵抗を測ることにより,酸化皮膜ができたことを確認することができます.(測定するときは,薄い酸化皮膜を破らないようにテスターの先端をそっと置いてください.)

1-2.Niの着色
・電解液:500mlのビーカーに硫酸ニッケル12.5g,ホウ酸12.5g,硫酸第一スズ10gを入れ,蒸留水を加えて溶かし,500mlの電解液をつくります.
・電源:スライダックを準備し,テスターを使って出力を14Vに調整します.
・電極:陽極酸化したアルミニウム板と炭素電極を電極にします.
・スライダックの電源を入れ,アルミニウムの陽極酸化皮膜が灰色〜黒色に着色するのを確認して電源を切ります.(数十秒程度) ・電源を切ってあることを確認し,試料を取り出して洗浄します.

1-3.銅の着色
・電解液:500mlのビーカーに蒸留水を入れ,硫酸銅16g,硫酸3.5gを溶かし,更に蒸留水を加えて500mlの電解液をつくります.
・他の条件は2.Ni着色と同じです.銅の場合は茶色に着色します.

1-4.金の着色
・電解液:市販のAuめっき液を使い,電圧約4Vで着色します.


・金の場合は赤紫色に着色します.





2.虹色着色
2-1.陽極酸化
・電解液:500mlのビーカーに純水を半分程度入れ,リン酸15g,硫酸0.5gを加え,更に純水を加えて500mlとします.回転式のかくはん装置で液をかくはんします.
・電源:直流電源を準備し,テスターをつないで出力電圧を20Vに設定します.
・電極:純度の高いアルミニウムの板を2枚準備します.小さい方(1.5cmX7cm程度)を試料として陽極に設置し,大きい方(ビーカーの内側に沿わせるサイズ,10cmX20cm程度)を陰極に設置します.
・30分間〜50分間電気分解し,陽極のアルミニウム板の表面に陽極酸化皮膜を成長させます.
・電源を切り,試料を取り出して純水で充分に洗浄します.

2-2.虹色着色
・電解液:500mlビーカーに硫酸ニッケル17g,ホウ酸22g,トリエタノールアミン8gを入れ,蒸留水を加えて溶かし,500mlにします.
・電源:スライド式レギュレーター(スライダック)を準備し,テスターを使って出力を14Vに調整します.
・電極:陽極酸化したアルミニウム板と炭素電極を電極にします.このとき,アルミニウム板側のスタンドにラボジャッキを組み合わせ,アルミニウム板を上下できるようにします.
・スライダックの電源を入れ,10秒ごとに試料の位置を1cm程度上げていきます.電極の下にいくほどめっき時間が長くなり,めっき時間に応じて様々な色が得られます.
・電源を切り,試料を取り出して純水で洗浄します.







注意すること
・感電には充分に注意してください.電源を入れたら,電極などに決して触らないでください.
・実験中は保護めがねをし,もし陽極酸化液や電解着色液に触れたらすぐに流水で洗ってください.
・作製した液は決して流しに捨てず,適切な方法で廃棄してください.下に廃棄の例を示します.
Al板:金属不燃物
陽極酸化液:酸廃液
電解着色液:重金属廃液

 

contents


■ 炭とアルミの電池

■ 光で汚れを落とす?

■ ふんわりカルメ焼き

■ 液晶って何だ?

■ 時間と空間のリズム反応

■ 水を捕らえる不思議な粉

■ CDで光のプリズム

■ 虹色のアルミ

■ 先生紹介