第29 回化学教育フォーラム 高等学校化学における「化学反応と熱・光」の扱い方
令和4 年度から始まった高等学校学習指導要領の化学では,「化学反応と熱・光」で熱の出入りにΔH を用いるようになった。また,「吸熱反応が自発的に進む要因に定性的に触れる際には,エントロピーが増大する方向に反応が進行することに触れる」とあり,反応が進む理由を考えるような授業展開が期待される。国際化が進む現代社会の中で,日本の高校だけがいつまでも大学・社会や海外の高校と異なる教え方をしていることは決して望ましいことではない。新学習指導要領で求められる化学熱力学についての理解を深め,何を,どのように指導することが求められているのか,実践事例を交えながら考えたい。