本ディビジョンには,モノづくりの企業に所属する技術研究者が参加し,大学研究者をも交えて生産技術・製品開発に関するトピックスをディスカッションしている。学際的なテーマを扱うことによって,生産技術の根底に横たわる多様な課題を抽出し,次世代の技術開発につながる指針を提言することを目指している。
この一環として,平成25 年11月5日,6日の両日にわたって,ダイセル西播磨研修センターにおいて本ディビジョンの研修セミナーを開催した。この場に山形大学・有機エレクトロニクス研究センターの時任静士教授を招き,ディビジョンに所属する企業研究者とともに,プリンテッド・エレクトロニクスの最先端の話題について討論した。
時任教授からは,「印刷法による有機TFTの作製とフレキシブル有機集積回路応用」と題する講演があり,有機デバイスに適したペイント電極の形成方法や印刷法について技術課題とその解決法,有機デバイスの集積化等に関する詳細な説明があった。企業研究者からは,有機デバイスに適した溶剤の開発,高分子材料を用いたフレキシブルデバイス基板の開発等の最新の話題が提供された。さらには,光配向技術を応用した液晶パネルの開発等,我が国の屋台骨を支える産業基盤の構築につながる講演があった。写真はその時の模様である。
生産技術・製品開発ディビジョンでは,以上のセミナーをはじめとして定例的に関連のトピックスを討論し,親睦を深めるとともに,将来の製品開発や学際研究のあり方を模索している。
堀田 収 京都工芸繊維大学