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第1 回MOT 勉強会開催

 化学経済・経営・研究管理・MOTディビジョンは,企業に在籍する会員が多いのが特徴である。本ディビジョンの新しい取組みとして,研究開発と事業を繋ぐ上で重要なMOT に関する第1 回勉強会を,平成27 年1 月20 日午後に日本化学会(化学会館)にて開催した。会の趣旨として,参加者と一緒に会を創り上げ,活発な議論の場にしたいという目的から参加者の定員を10 名に限定した。
 今回の勉強会では株式会社カネカR&D 企画部企画グループリーダーの古谷浩行氏より,「MOT 的考察の一例」のタイトルでご講演をいただいた。講演では,研究開発が事業に結びつかない背景,筋の良いテーマの発掘,アングラ研究の重要性,仮説検証の重要性,自己完結型R&D の脱却,MOT による人材育成,挙手型人間の育成など,事例を中心に紹介いただいた。また,事例ごとに企業および担当者の奮闘ぶりもお話しいただき,講演に対して参加者の関心が高く,講演後の質疑応答において活発に議論がなされた。
 後半は,参加者の種々の立場からイノベーションの実現のための課題,公的研究資金や公的研究機関のあり方,リスクマネーとベンチャー育成,産学官連携(オープンイノベーション等)についてまで議論が広がり,熱い意見交換が行われた。
 今回の勉強会には,企業および独立行政法人の研究開発・技術開発とイノベーションとを結びつけ,R&D 推進および新規事業担当者の参加者が多かった。研究開発に関わる多くの方が直面する重要な問題について,企業の取組みや貴重な知見を得るとともに,意見交換をする大変有意義な機会となった。

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甘利 徹 三菱化学株式会社