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2021国際化学オリンピック日本大会(リモート)の開催について

Chemistry Grand Prix 2021 & IChO Japan 2021

化学グランプリは,「夢・化学-21」委員会ならびに日本化学会が主催して,全国の中高生に化学への興味・関心を喚起し意欲・能力を高めること,加えて世界にも通用する若い化学者を育成することを目的として,1999年より開催している。昨年はコロナ禍にもかかわらず,関係各位のご協力によりどうにか行うことができた。関係各位に感謝したい。
さて本稿が発刊される頃には化学グランプリ2021の応募が丁度締め切られる頃と思う。昨年はコロナ禍により日程が変更され受験者が減ったが,今年は一次選考を例年どおり,海の日7月22日(木・祝)に行う。試験方法は昨年と同様にWEBによるリモート試験を実施する。
最近では各県の教育委員会等が対策講座等を企画する事例が多く見られる。もし依頼された場合には,大学教員におかれては,化学の面白さを伝えるため,ぜひ講師等をお願いしたい。また無理なときには化学グランプリ・オリンピック委員会に相談いただきたい。できる範囲で対応させていただく予定である。
国際科学オリンピックは,数学,化学,生物学,物理学,情報科学,地学,地理の7教科で行われている。これらの世界大会は例年7月から9月にかけて世界各国にて持ち回りで行われている。化学においては約10年ぶりに日本大会(大阪)が開催されるはずであったが,コロナ禍によりリモートでの開催になってしまった。ご苦労されてきた関係各位はさぞ残念なことと拝察する。ともあれ,送り出す当委員会としては頑張ってほしいところであるが,如何せん日本の指導要領が世界水準にはほど遠く苦しんでいる。日本代表の生徒には温かい目で応援するとともに,もし世界に通用する成績を取った暁には,まずは生徒の頑張りと弛まぬ努力,そして指導する強化指導教員の努力に賞賛を与えていただきたいと思う。

「夢・化学-21」委員会は,日本化学会,化学工学会,日本化学工業協会,新化学技術推進協会の4団体で構成されている。

三好徳和 徳島大学大学院・理工学部(化学グランプリ・オリンピック委員会委員長)