日本化学会

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海外博士講演会

PhD Abroad Lectureship

海外で学位(博士)を取得した6名の日本人化学者による講演会を企画した。講演会の目的・目標は,次のように考えた:

  • 海外で化学分野の博士号を取得した研究者から学ぶ。
  • 講演者が海外大学院での研究生活を通じて学んだ知識や経験が現在のテーマ設定など研究の進め方にどのような影響を与えているか知る。
  • 講演者の経験や帰国後の研究成果などを理解し,自身のキャリアプランや研究の取り組みに生かす。

この講演企画の意義を深めるために,高等教育が専門である加藤真紀先生(名大高等教育研究センター)に「大学教員のキャリアパスに見る影響」に関する講演をお願いした。この基調講演に続けて,6名の先生からご講演をいただいた。途中には十分な時間のコーヒーブレークの時間を取り,演者と聴衆が双方向で話ができるよう心掛けた。また,最後には講演者全員参加のパネル討論を行った。会場からの質問で,語学や日本との制度の違いによる戸惑いに関するものを含めて,いくつかの切り口で議論を深堀したが,その中でも,「生まれ変わっても海外で学位を取るか?」というと質問に対して,全員口をそろえて,「Yes!」と回答したのが印象的であった。
最後に,今回の講演会から得るものは大きかったと思う。ただ,学んだり,知ったりはすぐにできても,聴講した方,特に若者にとって自分の研究生活に生かしていくには自分なりの咀嚼が必要だと筆者は考える。咀嚼が終われば躊躇することなくどんどん挑戦すればよいと思う。人生は思っているより短い。

chem78-07-09.jpg講師と写真撮影

北山健司  生産技術・製品開発ディビジョン主査