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微小合金と疎水性空間を使ったメタンからメタノールへの選択酸化

Selective Oxidation of Methane to Methanol Using Sub-nano Alloys and a Hydrophobic Space

メタンと酸素からメタノールへの直接変換は,石油依存の低減やCO2排出削減に資する重要な触媒反応である。しかし,メタンのC-H結合は非常に強く(結合エネルギー:約439 kJ/mol),さらに生成したメタノールは過酸化を受けやすいため,この反応の実現は現在でも容易ではない。反応を進めようとして条件を強めるとメタノールの逐次酸化が進み,逆に穏和条件では転化率が上がらない。すなわち,高活性と高選択性の両立が本質的な課題である1)
そこで筆者らは,メタンのC-H結合活性化に有効なPtとメタノール選択性の向上に寄与するCuからなる微小な合金粒子を,疎水性かつ無酸性のSilicalite-1ゼオライト細孔内に閉じ込めた触媒を開発した2)。Pt-Cu合金によって活性と選択性を両立させるとともに,疎水性細孔によって生成したメタノールを活性点近傍から速やかに離脱させ,過酸化を抑制できる点が特徴である。
本触媒は,既存触媒系の活性-選択性の限界を超える性能を示した。これは,Pt-Cu合金による反応活性点の精密設計に加え,ゼオライト細孔内の疎水性・無酸性環境という「反応場」を組み合わせたことによる成果である。今後は,多元素化や粒子構造の精密制御,細孔内環境のさらなる最適化を通じて,メタン選択酸化によるメタノール合成が高効率化されることが期待される。

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  1)    G. J. Hutchings et al., Chem. Rev. 2023, 123, 6359.
    2)    A. Oda et al., J. Am. Chem. Soc. 2025, 147, 30009.

織田 晃   北海道大学触媒科学研究所