日本化学会

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アニオン-π相互作用に基づく選択的界面物性制御

Selective Modulation of Interfacial Properties via Anion-π Interactions

な因子である。近年では,分子間相互作用を利用した界面機能制御も進展しているが,特定の分子やイオンを識別した選択的制御はいまだ発展途上である。その中で,アニオン-π相互作用を活用した新しい濡れ性制御が注目されている1~4)
アニオン-π相互作用が効果的に働くナフタレンジイミド(NDI)誘導体を合成し,シリカ基板上に自己組織化膜が形成された。この基板に対するCl,Br,Iなどのアニオン吸着挙動を評価した結果,吸着量が水和エネルギーに依存することが明らかになり,アニオン-π相互作用の寄与が示された1)。また,フォースカーブ測定により界面間に働くアニオン-π相互作用に由来した引力を直接観測し,その単一相互作用力が約40 pNであることが明らかとなった1)
さらに,NDIユニットが多数導入されたポリマーブラシ界面では,相互作用部位の増加に伴う顕著なアニオン吸着量および引力の増大が確認された4)。また,アニオン添加に伴う水濡れ性の変化が見いだされ,特に硝酸イオンで分子認識に基づく選択的界面物性制御に成功した。本成果は,センサー,物質輸送制御,分離技術などへの応用が期待される。

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    1)    M. Akamatsu et al., Chem. Commun. 2021, 57, 4650.
    2)    M. Akamatsu et al., Langmuir 2023, 39, 5833.
    3)    M. Ishii, M. Akamatsu et al., Langmuir 2024, 40, 27040.
    4)    M. Akamatsu et al., RSC Appl. Polym. 2025, 3, 1452.

赤松允顕  京都大学生存圏研究所