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イベントカレンダー

講演会・シンポジウム

理科・化学教育懇談会フォーラム錯体化学へようこそ

開催概要

主 催 日本化学会関東支部
会 期 3月5日(土)10時~12時
開催方式 オンライン

錯体とは無機物の金属イオンのまわりに有機物の配位子を結合した複合体です。既存の無機物や有機物にないユニークな性質を持つ錯体は,「錯体化学」として近年注目されている研究分野です。本フォーラムでは,錯体化学の基礎から応用までを幅広い世代の研究者から,わかりやすくご紹介いただきます。

  1. 電気を流す金属錯体 (京大)北川 宏
    金属錯体は,金属と有機配位子からなる化合物で,光合成を担うクロロフィルや血液中のヘモグロビンなど自然界に広く存在する物質である。身の回りではこれまで,新幹線車両の耐光性塗料や抗がん剤などに利用されてきたが,最近ではガス吸着剤や分離膜,光触媒や化学プロセス触媒,X線造影剤などとして注目されている。本講演では電子やイオンを流す電気伝導性金属錯体について紹介する。
  2. 錯体でつくる分子鞠 (まり) (東大)齋藤杏実
    錯体化学の研究者は,金属イオンと配位子の自己集合によって対称性の高い錯体構造をつくり出してきた。私たちのつくり出した最も対称性の高い構造として,銀 (I)イオンとペプチド配位子からなる「分子鞠」を紹介する。分子鞠は多面体構造をもち,本物の鞠のように,配位結合で繋がった分子の紐が球状に絡まって形作られる。分子鞠がもつ絡まり構造にひそむ数学とその化学的な性質を,3Dプリンターで作製した錯体模型を用いながらお話しする。
  3. 錯体のエレクトロクロミズム (物質・材料研究機構)樋口昌芳
    遷移金属イオンと有機配位子からなる錯体の中には,両者間での電荷の授受に由来する強い吸収を可視領域にもつものがある。講演者らは,錯体を繋げた構造の配位高分子を電極上に製膜し,金属イオンを電気化学的に酸化還元することで,可視領域の強い吸収が消失する現象 (エレクトロクロミズム)を見出した。本講演では,本現象の原理の説明以外にも,本配位高分子の合成方法,製膜方法,電気のかけ方,簡易な表示素子の作り方などを詳しく紹介する。

募集内容

参加費 無料
参加申込方法 Web

会期 2022年3月5日(土)
行事名 理科・化学教育懇談会フォーラム錯体化学へようこそ
会場 オンライン開催
連絡先 日本化学会関東支部 
E-mail: kanto@chemistry.or.jp 
URL https://kanto.csj.jp/