主催:日本化学会産学交流委員会
会期:2022年11月7日(月)・8日(火)(ライブ配信)及び 11月7日・8日の講義のオンデマンド配信(2週間程度)
会場:オンライン開催(Zoomを利用したリアルタイム配信、2週間程度のオンデマンド配信の併用)
主査:秋山隆彦(学習院大理)
趣旨:有機合成化学は、電子材料分野、医薬品分野、環境・エネルギー分野などの幅広い分野において、機能性素材を製造するための重要な基盤技術となっている。本コースでは、素材の製品設計に必要な有機合成化学の基礎と最近のトピックを学べる講座を企画した。炭素ー炭素結合形成反応、酸化還元反応、複雑な化合物の合成戦略等の有機合成化学の基礎に加えて、有機金属化学、ヘテロ環の化学、有機フッ素化学、フロー精密合成、理論化学計算、固体触媒化学などについても、基礎から最新のトピックまでを紹介する。
対象:当該分野の化学的知識を基礎から学びたいと考える技術系新入社員。人事異動や配置転換、新規事業の開始等で、新たに当該技術の知識獲得を目指す中堅技術者および研究者。化学企業へ就職を希望する化学系学生。
参加費:個人正会員(法人会員含む)32,000円、学生会員 10,000円、非会員 50,000円
※法人会員企業一覧はこちらよりご確認下さい。
法人会員企業のグループ会社、子会社、連結会社等は「非会員」になります。但し、非会員のグループ会社等にご在籍でも、出向元が法人会員であれば「法人会員」扱いとなりますので、その旨ご連絡下さい。
募集人員:50名(10名より催行)
申込:チケット申込サイト「Peatix」よりお申込みを行って下さい。
尚、Peatixからのお申し込みは「各種クレジットカード、コンビニ、ATM(ペイジー)、Paypal」でお支払い頂けます。
オンラインでの開催にあたっての注意事項:
①「オンライン講演利用規約」を必ず確認・同意の上お申込み下さい。
(お申込みに伴い、本規約についても同意したものとします。)
②11/2 9:00までに、お申し込みをお済ませ下さい。(これ以降オンデマンド配信のみ希望の方がいらっしゃいましたら、事務局まで個別にご連絡下さい。)
③ Web会議サービスZoomを使用します。(参加者の皆様の映像は共有されません。)
④ 参加者の皆様には、接続先の情報を前日までにメールにて案内します。記載されたURLをクリックしてご参加下さい。Zoomの接続テストサイトにて、事前に動作確認をいただけると安心です。
⑤ 当日は参加者の方のお名前を確認いたします。Zoomでの参加者名は、「氏名+ご所属名」として下さい。お申し込みの「氏名」とZoomでの「氏名」は必ず同じ設定にして下さい。セキュリティ上、一致しない方にはご参加いただけない場合がございますのでご了承下さい。※接続の問題等で視聴できない場合のご返金はできません。
⑥ ライブ配信の講義を視聴される場合は、講師に質問することができます。
⑦ 11/7、8のライブ配信の講義の動画をオンデマンドとして2週間程度公開致します。但し講師への質問については、ライブ配信での講義のみ可能となりますのでご了承下さい。オンデマンド配信のURLは、参加者の皆様に会期後にご連絡致します。
【禁止事項】本講座は、申込者本人のみの視聴に限らせていただきます。Zoomの接続先URLの転送、視聴中の録画・録音は固く禁じます。また講義資料は申込者本人の使用に限り、再配布等は固く禁じます。
有機合成の基本である炭素-炭素結合形成反応と酸化還元反応のうち、炭素-炭素結合形成反応の基本を解説する。有機化学と有機合成化学の違い、立体化学の基礎、有機合成を勉強するときに役立つ情報、さらに文献の探し方などについても述べる。
複雑な有機化合物を合成する際、基本となるのは炭素骨格形成のための炭素-炭素結合生成反応と官能基の変換反応の二つである。両者は有機合成の縦糸と横糸の関係にある。後者の代表が酸化・還元反応である。本講演では、フェノールの合成法として大規模に実施されているクメン法のような工業的酸化反応から医薬品など精密化学製品の合成のための実験室的な酸化還元反応まで幅広く解説する。さらに不斉酸化、不斉還元についても触れる。
プロスタグランジンなどの生理活性天然有機化合物を合成ターゲットとして取りあげ、1)逆合成解析の基礎(結合切断や等価変換など)、2)有機合成の三要素(炭素骨格の構築、酸化度の調節、立体化学の整備)、3)合成手法の進歩に伴う合成戦略の変化(不斉合成、対称性の利用)、などについて解説する。
有機化学が対象とする分子・現象には「手に取り出せないもの」「目には見えないもの」が数多く存在する。反応遷移状態、不安定高活性種、物性予測、軌道間相互作用などもその一つである。これらをいかに合理的にデザインするかが、ものづくりに大変重要である。本講義では、前半に「ものづくりに活かすための理論計算の基礎・考え方・使い方」を概説し、後半では「実験と理論の融合による反応開発・機能創出研究の進め方」などについて最近の実例を交えながら紹介する。
「持続可能な社会」においては、環境に負荷をかけない、真に効率の高い、安全・安心に行うことのできる革新的製造プロセスの開発が必須である。我が国の将来を担うファインケミカルの製造は、現在、ほぼ100%バッチ法で行われているが、ここでも革新が求められている。本講では、バッチ法に代わる新手法として注目されている流通法に基づく連続製造法、その鍵を握るフロー精密合成について概説する。
医薬品・電子材料にはヘテロ環を含むものが多く、骨格の構築法に加え、望みの位置への置換基導入が問題となる。特に最近、古典的な反応に加え、遷移金属触媒やラジカル反応を用いた骨格構築および官能基化が注目を集めている。本講義では、基本的なヘテロ環を取り上げ、それらの構築法と修飾法について概説し、医薬品や天然物の合成に応用された例について紹介する。
有機フッ素化合物は、医薬、農薬、液晶材料、高分子材料などの様々な産業分野において利用されている。本講義では、まず、有機フッ素化学の基礎(フッ素原子が醸し出す特異な性質とその発現の原理)について述べる。ここ数年で飛躍的に発展した「有機フッ素化合物の触媒的合成法」について、国内外の研究動向を紹介する。
化成品製造、新素材開発の現場では、分離精製の目的で「再沈」や「再結晶」と呼ばれる操作が行われる。ところが、その操作レシピの少しの違いが、結晶化物質の品質に影響を与え、生産性にも大きな影響を与える。例えば、純度、粒径分布、形状、結晶多形に関わる問題である。この結晶性物質に品質を作り込むプロセス技術が「晶析」操作であるが、今回は、どんな操作レシピを設計すれば結晶化が上手く制御できるのかについて、最近の連続フロー製造などのトレンドにも触れながら紹介する。
クロスカップリング反応は基質適用範囲が広く、遷移金属触媒を用いる炭素-炭素結合形成の定番反応として、低分子から高分子に至るまで、機能性化合物の合成に幅広く利用されている。有機金属反応剤(炭素求核剤)を用いる従来の反応に加え、C-Nカップリング反応やC-H官能基化型のクロスカップリング反応の有用性も高まっている。本講では、触媒サイクルを構成する各素反応について述べるとともに、反応に用いられる触媒前駆錯体と配位子の特徴についても解説する。
固体触媒は、触媒/生成物の分離や触媒再使用・再生が容易、耐熱・耐酸化性に優れるという利点を有する。また、担持触媒であれば担体の選択・設計→主活性点の創製→補助活性点の導入というように、階層的かつ合理的に触媒設計が可能である。本講では、固体触媒を用いた有機合成の事例をいくつか紹介するとともに、固体触媒化学の基礎について解説する。
会期 | 2022年11月7日(月)8日(火) |
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行事名 | 化学技術基礎講座2022(オンライン)ー製品開発に必要な有機合成化学の基礎ー |
会場 | オンライン開催(Zoom) |
連絡先 | 日本化学会企画部 担当:河瀬・矢部 E-mail: sangaku@chemistry.or.jp Tel:080-7398-0182 |