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イベントカレンダー

化学技術基礎講座2022(オンライン)高分子化学-高分子の基礎から応用・加工までー

主催:日本化学会産学交流委員会

会期:2022年11月14日(月)・15日(火)(ライブ配信)及び 11月14日・15日の講義のオンデマンド配信(2週間程度)

会場:オンライン開催(Zoomを利用したリアルタイム配信、2週間程度のオンデマンド配信の併用)

主査:西野孝(神戸大院工)

趣旨:現代は「高分子の時代」といわれるほど、身の回りには高分子物質が溢れています。企業では高分子化学およびその関連テーマに従事する研究者・技術者が相当数にのぼる一方、学生時代に高分子化学を専攻しなかった方も少なくありません。本講座では、改めて高分子の基礎から応用技術までを学びたい方に、高分子の合成ならびに物性、機能、材料等の応用を解説します。また、高分子がともすれば環境汚染の源とも言われる中、SDGsとのかかわりについても取り上げて解説します。

対象:当該分野の化学的知識を基礎から学びたいと考える技術系新入社員。人事異動や配置転換、新規事業の開始等で、新たに当該技術の知識獲得を目指す中堅技術者および研究者。化学企業へ就職を希望する化学系学生。

参加費:個人正会員(法人会員含む)32,000円、学生会員 10,000円、非会員 50,000円

※法人会員企業一覧はこちらよりご確認下さい。
 法人会員企業のグループ会社、子会社、連結会社等は「非会員」になります。但し、非会員のグループ会社等にご在籍でも、出向元が法人会員であれば「法人会員」扱いとなりますので、その旨ご連絡下さい。

募集人員:50名(10名より催行)

申込:チケット申込サイト「Peatix」よりお申込みを行って下さい。

尚、Peatixからのお申し込みは「各種クレジットカード、コンビニ、ATM(ペイジー)、Paypal」でお支払い頂けます。

オンラインでの開催にあたっての注意事項:

①「オンライン講演利用規約」を必ず確認・同意の上お申込み下さい。
(お申込みに伴い、本規約についても同意したものとします。)
②11/10 9:00までに、お申し込みをお済ませ下さい。(これ以降オンデマンド配信のみ希望の方がいらっしゃいましたら、事務局まで個別にご連絡下さい。)
③ Web会議サービスZoomを使用します。(参加者の皆様の映像は共有されません。)
④ 参加者の皆様には、接続先の情報を前日までにメールにて案内します。記載されたURLをクリックしてご参加下さい。Zoomの接続テストサイトにて、事前に動作確認をいただけると安心です。
⑤ 当日は参加者の方のお名前を確認いたします。Zoomでの参加者名は、「氏名+ご所属名」として下さい。お申し込みの「氏名」とZoomでの「氏名」は必ず同じ設定にして下さい。セキュリティ上、一致しない方にはご参加いただけない場合がございますのでご了承下さい。※接続の問題等で視聴できない場合のご返金はできません。
⑥ ライブ配信の講義を視聴される場合は、講師に質問することができます。
⑦ 11/14、15のライブ配信の講義の動画をオンデマンドとして2週間程度公開致します。但し講師への質問については、ライブ配信での講義のみ可能となりますのでご了承下さい。オンデマンド配信のURLは、参加者の皆様に会期後にご連絡致します。

【禁止事項】本講座は、申込者本人のみの視聴に限らせていただきます。Zoomの接続先URLの転送、視聴中の録画・録音は固く禁じます。また講義資料は申込者本人の使用に限り、再配布等は固く禁じます。

プログラム(リアルタイム配信)

11月14日(月) 9時30分~16時35分 

9:30-9:35 研修の開始にあたり 西野孝(神戸大院工)

9:35-10:35 高分子とは 中條善樹(京大院工)

我々の身のまわりをみると、高分子はそこら中に利用されている。いま着ている衣服はもちろん、台所用品、文房具、家電製品、自動車などの身近なものから、コンピュータ、人工臓器、宇宙船まで、まさに今の時代は高分子が氾濫していると言っても過言ではない。本講義では、高分子のおもしろさ、特に工業的材料としての利用に重点をおいて、高分子とは何かを、分かりやすく解説する。

10:50-12:20 ラジカル重合、イオン重合 上垣外正己(名大院工)

本講義では、ビニルモノマーのラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合に関して、各重合系におけるモノマーや開始剤の特徴、開始・成長・停止・移動の4つの素反応の機構など、付加重合の基礎を説明する。また、ラジカル重合においては、工業製品にも広く用いられている共重合反応の基礎についても述べる。さらに、機能性高分子の合成法として重要なリビング重合、立体規則性重合の原理と代表例を各重合系において示し、最近の精密重合の進展も概説する。

13:20-14:50 重縮合、重付加、付加縮合 早川晃鏡(東工大)

本講義では、重縮合・重付加の基礎として、動力学、分子量と反応度、分子量と平衡、分子量の調整方法、および分子量分布などについて説明する。また、重縮合、重付加、付加縮合系高分子合成について、その重合方法と代表的ポリマーの合成について述べる。さらに、最後には最新の研究例を紹介し、本分野の進展を概説しながら聴講者の皆さんとその面白さを共有させて頂きたい。

15:05-16:35  高分子のキャラクタリゼーション 田代孝二(「知の拠点」あいちシンクロトロン光センター)

新たに高分子を合成した場合、あるいは既存の高分子を使って何らかの研究をしたい場合、必ずしなければならないのがキャラクタリゼーション(特性解析)である。分子量は?分子量分布の広さは?枝分かれの程度は?立体規則性は?分子鎖の立体構造は?非晶中では?結晶領域中での分子鎖の充填は?高次構造は?等々、化学構造から3次元立体構造まで知るべきことは非常に多い。本講義では、高分子のキャラクタリゼーションを行う上で代表的な分析装置を取り上げ、各装置の特徴、利用法、得られる情報を具体的に解き明かしてみたい。

11月15日(火) 9時~17時45分 

9:00-10:20 高分子の熱物性・表面物性 西野孝(神戸大院工)

高分子には、天然、人工を問わず合成された段階でさまざまな性能が備わっている。また、各種性能を新たに賦与するための研究が進められている。それらの性能を最大限発現させるためには、内包する性能の極限を見極め、その性能発現のための構造を理解する必要がある。ここでは、高分子材料の基本的な物性であり、かつ実用上の利用を進める上で重要な熱物性と表面物性を取り上げ、高分子の構造との関わりから眺めてみたい。

10:35-11:55 高分子のレオロジーと力学的性質 浦山健治(京大院工)

プラスチックが自在に成形加工できたり、ゴムが可逆的に大変形できる特徴は、高分子材料が固体と液体の二面性をもつ粘弾性体であることに由来する。高分子材料の粘弾性(レオロジー)では、繰り返し単位の化学構造よりも、高分子鎖の絡み合い相互作用や長鎖分岐などの鎖状構造の特徴が支配因子になることが多い。ここでは、高分子材料のレオロジーと力学的性質について、鎖状構造の特徴との関係を中心に基礎的な事項を解説する。

12:45-14:05 高分子の光機能 小池康博 (慶應義塾大学)

光学ポリマーは、高性能な光学ガラスの代替えとして用いられるイメージがあったが、近年は新たな光機能をもったフォトニクスポリマーが活発に展開されている。本講義では、レンズに重要な屈折率とアッベ数について、液晶や有機ELディスプレイなどの色むらの原因となる複屈折について、プラスチック光ファイバーなどの透明性を決定する光吸収損失と光散乱損失についての基礎原理を説明し、最近のトピックスを紹介する。

14:20-15:40 高分子の成形加工 大嶋正裕(京大院工)

高分子を"溶かす"、"流す"、"固める"のが、高分子成形加工の基本である。講義の前半では、"流す"に焦点をあて、流れの基本系を学んだあと、応用として押出機・射出機など各種成形装置内で生じている流れについて可視化映像を利用しながら解説する。後半は、発泡成形プロセスを通して、高分子の物性を活かした成形加工技術を使うことにより初めて、高機能部材ができることを紹介する。

15:55-17:15 持続可能な社会に貢献する高分子 岩田忠久(東大院農)

石油資源の枯渇、プラスチック焼却に伴う地球温暖化、海洋マイクロプラスチックに代表されるプラスチックごみ問題など、プラスチックと環境および人類との共存・共栄を様々な観点から考える必要があります。バイオプラスチックとは、石油を原料とせず、再生産可能なバイオマスを出発原料した「バイオマスプラスチック」と環境中で二酸化炭素と水にまで完全に分解される「生分解性プラスチック」の総称です。本講では、バイオプラスチックのこれまでの研究の歴史、新規バイオマスプラスチックの創製や生分解性プラスチックの生分解性制御機構などの最新の研究動向、世界の研究及び政策動向、および今後目指す環境にやさしいプラスチックについて概説します。

17:15-17:45 まとめ  西野孝(神戸大院工)

会期 2022年11月14日(月)15日(火)
行事名 化学技術基礎講座2022(オンライン)高分子化学-高分子の基礎から応用・加工までー
会場 オンライン開催(Zoom)
連絡先 日本化学会企画部 担当:矢部・河瀬
E-mail: sangaku@chemistry.or.jp
Tel:080-7398-0182