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化学技術基礎講座2022(オンライン)知っておきたい化学プラントの基本原理、工業化プロセスの要諦を学ぶ -化学技術者のための化学工学-

主催:日本化学会産学交流委員会

会期:2022年12月5日(月)・6日(火)(ライブ配信)及び 12月5日・6日の講義のオンデマンド配信(2週間程度)

会場:オンライン開催(Zoomを利用したリアルタイム配信、2週間程度のオンデマンド配信の併用)

主査:霜垣幸浩(東京大学・教授)

趣旨:ラボでの研究開発成果を工業化しようとする場合、単位操作、スケールアップといった化学工学の知識が重要になってきます。逆に言うと、工業化の概念のないまま研究を進めた場合、商業生産上の課題を抱えたプロセスや条件をひたすら追求するということにもなりかねません。本講座では、化学技術者に身に付けて欲しい化学プラントの基本原理を、化学工業における化学工学の意義や魅力を俯瞰する講座や主要単位操作の講座、エネルギーや環境など出口を意識した講座を交え多面的に解説します。また、化学工学を利用した最新のトピックスについても適宜ご紹介します。

対象:当該分野の化学的知識を基礎から学びたいと考える技術系新入社員。人事異動や配置転換、新規事業の開始等で、新たに当該技術の知識獲得を目指す中堅技術者および研究者。化学企業へ就職を希望する化学系学生。

参加費:個人正会員(法人会員含む)32,000円、学生会員 10,000円、非会員 50,000円

※法人会員企業一覧はこちらよりご確認下さい。
 法人会員企業のグループ会社、子会社、連結会社等は「非会員」になります。但し、非会員のグループ会社等にご在籍でも、出向元が法人会員であれば「法人会員」扱いとなりますので、その旨ご連絡下さい。

募集人員:50名(10名より催行)

申込:チケット申込サイト「Peatix」よりお申込みを行って下さい。

尚、Peatixからのお申し込みは「各種クレジットカード、コンビニ、ATM(ペイジー)、Paypal」でお支払い頂けます。

オンラインでの開催にあたっての注意事項:

①「オンライン講演利用規約」を必ず確認・同意の上お申込み下さい。
(お申込みに伴い、本規約についても同意したものとします。)
②12/1 9:00までに、お申し込みをお済ませ下さい。(これ以降オンデマンド配信のみ希望の方がいらっしゃいましたら、事務局まで個別にご連絡下さい。)
③ Web会議サービスZoomを使用します。(参加者の皆様の映像は共有されません。)
④ 参加者の皆様には、接続先の情報を前日までにメールにて案内します。記載されたURLをクリックしてご参加下さい。Zoomの接続テストサイトにて、事前に動作確認をいただけると安心です。
⑤ 当日は参加者の方のお名前を確認いたします。Zoomでの参加者名は、「氏名+ご所属名」として下さい。お申し込みの「氏名」とZoomでの「氏名」は必ず同じ設定にして下さい。セキュリティ上、一致しない方にはご参加いただけない場合がございますのでご了承下さい。※接続の問題等で視聴できない場合のご返金はできません。
⑥ ライブ配信の講義を視聴される場合は、講師に質問することができます。
⑦ 12/5、6のライブ配信の講義の動画をオンデマンドとして2週間程度公開致します。但し講師への質問については、ライブ配信での講義のみ可能となりますのでご了承下さい。オンデマンド配信のURLは、参加者の皆様に会期後にご連絡致します。

【禁止事項】本講座は、申込者本人のみの視聴に限らせていただきます。Zoomの接続先URLの転送、視聴中の録画・録音は固く禁じます。また講義資料は申込者本人の使用に限り、再配布等は固く禁じます。

プログラム(リアルタイム配信)

12月5日(月) 9時10分~17時30分 

09:10-09:20 挨拶、趣旨説明    霜垣幸浩(東京大学)

09:20-10:40 化学工学の基礎と活用例 ~吸着繊維を使った汚染水処理を例にして~ 斎藤恭一(早稲田大学)

東電福島第一原発では、メルトダウン事故から11年以上経った現在でも汚染水の処理が続けられています。わたしたちの研究室では放射性のセシウムやストロンチウム除去用吸着繊維(組み紐)をベンチャー企業と協力して製造し、現場の一部に供給しています。そのときに「何kgの吸着繊維を、何日間、汚染水に浸せばいいいんだ?」という設計論が現場から求められました。これに応えるための化学工学的アプローチを通して化学工学の考え方を理解してもらいたいと思います。

10:50-12:10 反応工学講座   霜垣幸浩(東京大学)

「反応」は化学品製造プロセスの中核となる単位操作であり、工業化の成否の鍵を握るものです。本講座では、バッチ/連続、管型/槽型、押し出し流れ/完全混合といった反応器の基本理論を解説するとともに、ラボでの反応の特徴を踏まえた反応形式の選定等、実践に役立つ知識や最新のトピックスについて紹介していきます。

13:10-14:30 物性推算講座   下山裕介(東京工業大学)

化学プロセスの設計や、操作条件を最適化する際には、配管内での流動や熱移動、反応容器内における相状態(均一相・不均一相)や拡散、分離容器内における相分離や拡散といった平衡物性や輸送物性を把握することが不可欠であります。本講座では、プロセス設計・最適化を行う際に重要となる物性推算について、(1) 圧力-密度-温度の関係、(2) 平衡物性、(3)輸送物性、(4) 界面物性の推算モデルと、その選定方法について紹介します。

14:40-16:00 粉体の取扱いと粒子物性,粉体特性の基礎  後藤邦彰(岡山大学)

化学プロセスでは粉(こな)や粒(つぶ)の状態で固体材料を扱う場合が多く、その取扱いはプロセスを安定に操作、制御する上で重要となります。本講座では、粒子状物質の取り扱いの考え方と、取り扱う上で基礎となる粒子径分布を中心とした粒子状物質の物性、および、固体粒子が集合体となったときの粉体特性の基礎についてお話します。

16:10-17:30 攪拌・混合操作の基礎   小林大祐(東京電機大学)

撹拌・混合操作は、化学工業において製品化するための製造・生産プロセスの重要な要素技術の一つです。しかしながら、実用的な技術は現場のノウハウで対応されている例が多いのが実情です。本講座では、攪拌・混合操作に関する基礎事項から始め、撹拌装置のスケールアップ設計に係わる基本的な考え方までを紹介いたします。

12月6日(火) 9時30分~16時20分 

9:30-10:50  環境配慮プロセス設計講座 -化学プロセスの環境影響評価と設計- 杉山弘和(東京大学)

化学プロセスは、原料から目的製品を製造するために、反応や分離など様々な単位操作や制御装置を組み合わせたシステムです。その設計においては、原料から製品への転換効率を最大にし、スチームなどのユーティリティ消費を最小にし、さらに運転性、安全性を確保しなければなりません。近年は、廃棄物や温室効果ガス排出の削減など環境配慮設計も欠かせない視点となっています。本講座では、化学プロセスおよび製品の環境影響評価の考え方やそれを考慮した設計方法を学びます。

11:00-12:20 装置内輸送現象の基礎   羽深 等(横浜国立大学)

反応装置を取り扱う化学工学の基礎として輸送現象を紹介し、その捉え方を解説します。そして、輸送が分かれば、目指す現象と為すべき操作の本質を把握できることを説明します。主な内容は次の通りです。(1)輸送現象とは、(2)法則(流れ、熱、物質の輸送)、(3)流れ(粘度と慣性、層流・乱流) 、(4)熱(対流・伝導・放射・反応熱)、(5)物質の動き(対流・拡散・消費・生成)、(6)反応装置内諸輸送現象の解析例・設計例と活用例。

13:20-14:40 蒸留の基礎   海野 洋(元 日揮株式会社)

反応によって製品を作る場合、必ず副生物が生成されます。また、製品中には未反応の原料も含まれますので、化学プロセスにおいてこれらの混合物から製品を分離することは極めて重要な操作です。分離操作には蒸留、吸収、吸着、抽出、晶析、膜分離などありますが、化学プラントの分離操作の中で蒸留は7~8割を占めております。蒸留の原理、蒸留計算、蒸留塔の設計の基礎についてお話しします。また、蒸留塔内部の気液挙動の映像をお見せします。

14:50-16:10 晶析操作の基礎と応用   松岡正邦(東京農工大学)

溶液から結晶性の粒子群を取り出す晶析操作は、狭い粒径分布をもつ粒子群の製造以外にも、高度な分離・精製や結晶多形の制御などを目的として多くの産業分野で用いられています。これらに共通するのは固液平衡関係に基づいた粒子の核化と粒子群の成長現象と速度の工学的な取り扱い方法です。実例に基づいてこれらの基礎事項を学ぶとともに、最近の話題や装置および操作法を紹介します。

16:10-16:20 まとめ   霜垣幸浩(東京大学)

会期 2022年12月5日(月)6日(火)
行事名 化学技術基礎講座2022(オンライン)知っておきたい化学プラントの基本原理、工業化プロセスの要諦を学ぶ -化学技術者のための化学工学-
会場 オンライン開催(Zoom)
連絡先 日本化学会企画部 担当:矢部・河瀬
E-mail: sangaku@chemistry.or.jp
Tel:080-7398-0182