主催:日本化学会産学交流委員会
会期 :2025年1月15日(水)・16日(木)
会場 :オンライン開催(Zoomを利用したリアルタイム配信、1カ月程度のオンデマンド配信の併用)
主査 :霜垣幸浩(東京大学)
趣旨 :ラボでの研究開発成果を工業化しようとする場合、単位操作、スケールアップといった化学工学の知識が重要になってきます。逆に言うと、工業化の概念のないまま研究を進めた場合、商業生産上の課題を抱えたプロセスや条件をひたすら追求するということにもなりかねません。本講座では、化学技術者に身に付けて欲しい化学プラントの基本原理を、化学工業における化学工学の意義や魅力を俯瞰する講座や主要単位操作の講座、エネルギーや環境など出口を意識した講座を交え多面的に解説します。また、化学工学を利用した最新のトピックスについても適宜ご紹介します。
対象 :人事異動や配置転換、新規事業の開始等によって、新たに当該技術の知識獲得を目指す中堅技術者 およびプロの研究者。当該分野の化学的知識を基礎から学びたいと考える技術系新入社員。化学企業への就職を希望する化学系学生。
参加費 :個人正会員(法人会員含む)32,000円、学生会員 10,000円、非会員 50,000円
※法人会員企業一覧はこちらよりご確認下さい。法人会員企業のグループ会社、子会社、連結会社等は「非会員」になります。但し、非会員のグループ会社等にご在籍でも、出向元が法人会員であれば「法人会員」扱いとなりますの で、その旨ご連絡下さい。
申込先 チケット申込サイト「Peatix」よりお申込みおよび事前決済を行ってください。詳細はリンク先にてご確認ください。
※キャンセルにつきましては、1月10日12時迄に学会事務局にメールにて直接ご連絡ください。それ以降のキャンセルについてはお受けできかねます。キャンセルに伴う返金方法、手数料はお支払い方法により異なります。(キャンセルに伴う返金方法、手数料はお支払い方法により異なります。(Peatixチケットキャンセルについて))
オンライン開催にあたっての注意事項
① 1月10日12時までにお申込み下さい。それ以降にお申込みをご希望の方は、事務局までご連絡下さい。
② 「オンライン講演利用規約」を必ず確認・同意の上お申込み下さい。(お申込みに伴い、本規約についても同意したものとします。)
③ Web会議サービスZoomを使用します。(参加者の皆様の映像は共有されません。)
④ 参加者の皆様には、接続先の情報を前日までにメールにて案内します。Zoomの接続テストサイトにて、事前に動作確認をいただけると安心です。
⑤当日は参加者の方のお名前を確認いたします。Zoomでの参加者名は、「氏名+ご所属名」として下さい。お申し込みの「氏名」とZoomでの「氏名」は必ず同じ設定にして下さい。セキュリティ上、一致しない方にはご参加いただけない場合がございますのでご了承下さい。※接続の問題等で視聴できない場合のご返金はできません。
⑥ ライブ配信の講義を視聴される場合は、講師に質問することができます。
⑦ 1/15、16のライブ配信の講義の動画をオンデマンドとして1カ月程度公開致します。但し講師への質問については、ライブ配信での講義のみ可能となりますのでご了承下さい。オンデマンド配信のURLは、参加者の皆様に会期後にご連絡致します。
東電福島第一原発では、メルトダウン事故から13年以上経った現在でも汚染水の処理が続けられています。わたしたちの研究室では放射性のセシウムやストロンチウム除去用吸着繊維(組み紐)をベンチャー企業と協力して製造し、現場の一部に供給しています。そのときに「何kgの吸着繊維を、何日間、汚染水に浸せばいいんだ?」という設計論が現場から求められました。これに応えるための化学工学的アプローチを通して化学工学の考え方を理解してもらいたいと思います。
「反応」は化学品製造プロセスの中核となる単位操作であり、工業化の成否の鍵を握るものです。本講座では、バッチ/連続、管型/槽型、押し出し流れ/完全混合といった反応器の基本理論を解説するとともに、ラボでの反応の特徴を踏まえた反応形式の選定等、実践に役立つ知識や最新のトピックスについて紹介していきます。
化学プロセスは、原料から目的製品を製造するために、反応や分離など様々な単位操作や制御装置を組み合わせたシステムです。その設計においては、原料から製品への転換効率を最大にし、スチームなどのユーティリティ消費を最小にし、さらに運転性、安全性を確保しなければなりません。近年は、廃棄物や温室効果ガス排出の削減など環境配慮設計も欠かせない視点となっています。本講座では、化学プロセスおよび製品の環境影響評価の考え方やそれを考慮した設計方法を学びます。
反応装置を取り扱う化学工学の基礎として輸送現象を紹介し、その捉え方を解説します。そして、輸送が分かれば、目指す現象と為すべき操作の本質を把握できることを説明します。主な内容は次の通りです。(1)輸送現象とは、(2)法則(流れ、熱、物質の輸送)、(3)流れ(粘度と慣性、層流・乱流) 、(4)熱(対流・伝導・放射・反応熱)、(5)物質の動き(対流・拡散・消費・生成)、(6)反応装置内諸輸送現象の解析例・設計例と活用例。
撹拌・混合操作は、化学工業において製品化するための製造・生産プロセスの重要な要素技術の一つです。しかしながら、実用的な技術は現場のノウハウで対応されている例が多いのが実情です。本講座では、撹拌・混合操作に関する基礎事項から始め、撹拌装置のスケールアップ設計に係わる基本的な考え方までを紹介いたします。
化学プロセスでは粉(こな)や粒(つぶ)の状態で固体材料を扱う場合が多く、その取扱いはプロセスを安定に操作、制御する上で重要となります。本講座では、粒子状物質の取り扱いの考え方と、取り扱う上で基礎となる粒子径分布を中心とした粒子状物質の物性、および、固体粒子が集合体となったときの粉体特性の基礎についてお話します。
化学プロセスの設計や、操作条件を最適化する際には、配管内での流動や熱移動、反応容器内における相状態(均一相・不均一相)や拡散、分離容器内における相分離や拡散といった平衡物性や輸送物性を把握することが不可欠であります。本講座では、プロセス設計・最適化を行う際に重要となる物性推算について、(1) 圧力-密度-温度の関係、(2) 平衡物性、(3)輸送物性、(4) 界面物性の推算モデルと、その選定方法について紹介します。
反応によって製品を作る場合、必ず副生物が生成します。また、製品中には未反応の原料も含まれますので、化学プロセスにおいてこれらの混合物から製品を分離することは極めて重要な操作です。分離操作には蒸留、吸収、吸着、抽出、晶析、膜分離などありますが、化学プラントの分離操作の中で蒸留は7~8割を占めております。蒸留の原理、蒸留計算、蒸留塔の設計の基礎についてお話しします。また、蒸留塔内部の気液挙動の映像をお見せします。
溶液から結晶性の粒子群を取り出す晶析操作は、狭い粒径分布をもつ粒子群の製造以外にも、高度な分離・精製や結晶多形の制御などを目的として多くの産業分野で用いられています。これらに共通するのは固液平衡関係に基づいた粒子の核化と粒子群の成長現象と速度の工学的な取り扱い方法です。実例に基づいてこれらの基礎事項を学ぶとともに、最近の話題や装置および操作法を紹介します。
会期 | 2025年1月15日・16日 |
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行事名 | 化学技術基礎講座(オンライン) 知っておきたい化学プラントの基本原理、工業化プロセスの要諦を学ぶ -化学技術者のための化学工学- |
会場 | オンライン開催(Zoom) |
連絡先 | 企画部 産学交流部門 sangaku@chemistry.or.jp |