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セミナー・講座

【化学技術レベルアップ講座】高分子の基礎から未来に向けて:合成、物性、解析、機能、加工、環境、AI(オンライン開催)

主催:日本化学会産学交流委員会

会期:2025年11月18日(火)、19日(水)※2日間の講座です、日程にご注意下さい。

会場:オンライン開催(Zoomを利用したリアルタイム配信、1カ月程度のオンデマンド配信の併用)

主査:上垣外 正巳(名大院工)

趣旨:現代は「高分子の時代」といわれるほど、身の回りには高分子物質が溢れています。企業では高分子化学およびその関連テーマに従事する研究者・技術者が相当数にのぼる一方、学生時代に高分子化学を専攻しなかった方も少なくありません。本講座では、改めて高分子の基礎から応用技術までを学びたい方に、高分子の合成ならびに物性、解析、機能、加工、材料等の応用を解説します。また、今およびこれからの高分子に重要なSDGsとのかかわりやAIの活用についても解説します。

対象:当該分野の化学的知識を基礎から学びたいと考える技術系新入社員。人事異動や配置転換、新規事業の開始等で、新たに当該技術の知識獲得を目指す中堅技術者および研究者。化学企業へ就職を希望する化学系学生。

参加費:個人正会員(法人会員含む)32,000円、学生会員 10,000円、非会員 50,000円
※法人会員企業一覧はこちらよりご確認下さい。法人会員企業のグループ会社、子会社、連結会社等は「非会員」になります。但し、非会員のグループ会社等にご在籍でも、出向元が法人会員であれば「法人会員」扱いとなりますので、その旨ご連絡下さい。

募集人員:50名(10名より催行)※開催2週間前に10名に満たない場合は、キャンセルの可能性もありますのでご了承下さい。

申込:チケット申込サイト「Peatix」よりお申込みを行って下さい。
https://kagakulevelupkobunshi2025.peatix.com
※キャンセルにつきましては、11月11日12時迄に学会事務局にメールにて直接ご連絡ください。それ以降のキャンセルについてはお受けできかねます。お申込み・お支払いなどに関する注意点は、上記URLからご確認下さい。

現地開催にあたっての注意事項:
①11月18日12時までにお申込み下さい。それ以降にお申込みをご希望の方は、事務局までご連絡下さい。
オンライン講演利用規約」を必ず確認・同意の上お申込み下さい。(お申込みに伴い、本規約についても同意したものとします。)
Web会議サービスZoomを使用します。
参加者の皆様には、接続先の情報を前Peatixよりご案内します。Zoomの接続テストサイトにて、事前に動作確認をいただけると安心です。
当日は参加者の方のお名前を確認いたします。Zoomでの参加者名は、「氏名+ご所属名」として下さい。お申し込みの「氏名」とZoomでの「氏名」は必ず同じ設定にして下さい。セキュリティ上、一致しない方にはご参加いただけない場合がございますのでご了承下さい。※接続の問題等で視聴できない場合のご返金はできません。
ライブ配信の講義を視聴される場合は、講師に質問することができます。
⑦11/18、19のライブ配信の講義の動画をオンデマンドとして1カ月程度公開致します。但し講師への質問については、ライブ配信での講義のみ可能となりますのでご了承下さい。

【禁止事項】本講座は、申込者本人のみの参加、オンデマンド視聴に限らせていただきます。録画・録音は固く禁じます。また講義資料は申込者本人の使用に限り、再配布等は固く禁じます。

プログラム

11月18日(火) 9時25分~17時50分 

09:25-09:30 開始前の案内

09:30-09:35 研修の開始にあたり  上垣外 正己(名大院工)

09:35-10:35 高分子とは  中條 善樹(京都大学)

我々の身のまわりをみると、高分子は至る所に利用されている。いま着ている衣服はもちろん、台所用品、文房具、家電製品、自動車などの身近なものから、コンピュータ、人工臓器、宇宙船まで、まさに今の時代は高分子が氾濫していると言っても過言ではない。本講義では、高分子のおもしろさ、特に工業的材料としての利用に重点をおいて、高分子とは何かを、分かりやすく解説する。

10:50-12:10  持続可能な社会に貢献する生分解性バイオマスプラスチック
                      岩田 忠久(東大院農)

石油資源の枯渇、プラスチック焼却に伴う地球温暖化、海洋マイクロプラスチックに代表されるプラスチックごみ問題など、プラスチックと環境および人類との共存を様々な観点から考える必要があります。持続可能な社会に貢献する高分子として、石油を原料とせず、再生産可能なバイオマスを出発原料した「バイオマスプラスチック」と環境中で二酸化炭素と水にまで完全に分解される「生分解性プラスチック」が挙げられます。本講では、これらのプラスチックのこれまでの研究開発の歴史、新規バイオマスプラスチックや生分解性プラスチックの創製、基礎物性、生分解開始機能などの最新の研究動向、世界の研究及び政策動向、さらには今後目指す環境にやさしい生分解性バイオマスプラスチックについて概説します。

13:00-14:30 ラジカル重合、イオン重合  上垣外正己(名大院工)

本講義では、ビニルモノマーのラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合に関して、各重合系におけるモノマーや開始剤の特徴、開始・成長・停止・移動の4つの素反応の機構など、付加重合の基礎を説明する。また、ラジカル重合においては、工業製品にも広く用いられている共重合反応の基礎についても述べる。さらに、機能性高分子の合成法として重要なリビング重合、立体規則性重合の原理と代表例を各重合系において示し、最近の精密重合の進展も概説する。

14:45-16:15 重縮合、重付加、付加縮合   早川 晃鏡(東京科学大)

エレクトロニクスに機械的可撓(かとう)性や伸縮性を実現するための技術トレンドであるフレキシブルエレクトロニクス、ストレッチャブルエレクトロニクスを実現するための技術チャレンジを進めている。応用としては、電子皮膚として大面積センサを貼り付けたり、服、座席、ハンドル、シートベルトなど人と接する部位に各種センサを導入することで、人の状態などをモニタすることを目指している。

16:30-17:50 高分子のレオロジーと力学的性質  浦山 健治(京大院工)

プラスチックが?在に成形加?できたり、ゴムが可逆的に?変形できる特徴は、?分?物質の粘弾性・レオロジー的性質に由来する。?分?物質の粘弾性では、繰り返し単位の化学構造よりも、ひも状の?分?鎖の絡み合い相互作?や?鎖分岐などの鎖状構造が?配因?になることが多い。ここでは、?分?物質の粘弾性・レオロジーと、鎖状構造の特徴との関係を中?に基礎的な事項を解説する。

11月19日(水) 9時30分~16時30分 

09:30-11:00 高分子のキャラクタリゼーション  西野 孝(神戸大院工)

新たに高分子を合成した場合、あるいは既存の高分子を調べたい場合,キャラクタリゼーション(構造や物性など特性解析)が必須となります。まず、赤外線吸収スペクトル(IR)と核磁気共鳴(NMR)測定を行いましょうか。さらに、分子量とその分布は?、結晶性は?、融点,ガラス転移温度は?、弾性率,強度は?高分子のいずれの特性を調べればよいのか、目的に応じて項目は多岐に亘ります。本講義では、高分子のキャラクタリゼーションを行う上で代表的な解析法を取り上げ、各解析の簡単な原理、装置の特徴、利用法、得られる情報と注意点を具体的に紹介します。

11:15-12:35  高分子の表面・界面  宮田 隆志(関西大院化学生命工)

高分子材料の表面や界面は、エネルギーの高い状態にあるため、バルクとは異なった構造や性質を有している。優れた材料物性や機能を発現させるためには、高分子材料の表面・界面の構造や性質を理解し、制御することが不可欠である。本講義では、高分子固体材料や高分子分散系に関する表面・界面の基礎と共に、その構造・物性の評価と制御について解説する。さらに、フィルムや粒子、自己集合体などの具体的な材料も取り上げ,その物性や機能に関しても界面科学的観点から概説する。

13:25-14:45 高分子の成形加工  伊藤 浩志(山形大院有機)

高分子を"溶かす""流す""固める"のが、高分子成形加工の基本である。講義の前半では、"流す""固める"の基本操作に焦点をあて、流れや固化の基本系を学んだあと、応用として押出機・射出機など各種成形装置内で生じている流れについて解説するとともに、射出成形での金型内部の固化の概念を説明する。後半は、射出成形プロセスやナノインプリントなどの微細転写を通して、高分子の表面構造を活かした物性制御や成形加工技術を使うことにより初めて、高機能部材ができることを紹介する。

15:00-16:20  高分子材料インフォマティクス  吉田 亮(統計数理研究所)

本講演では、高分子材料のマテリアルズインフォマティクスの基礎と応用を解説するとともに、材料研究におけるデータ資源の不足を克服するための方法論として、複数の異なるデータ集合を統合的に解析する転移学習という手法を重点的に取り上げる。特に、我々が開発している高分子材料の世界最大規模の計算データベースを活用した様々な適用例を紹介する。

16:20-16:30 まとめ  上垣外 正己(名大院工)

会期 2025年11月18日(火)・19日(水)
行事名 【化学技術レベルアップ講座】高分子の基礎から未来に向けて:合成、物性、解析、機能、加工、環境、AI(オンライン開催)
会場 オンライン開催(Zoomを利用したリアルタイム配信、1カ月程度のオンデマンド配信の併用)
連絡先 日本化学会企画部 担当:矢部
E-mail: sangaku@chemistry.or.jp