2020年11月9日
11月3日(文化の日),「はまぎん こども宇宙科学館」(神奈川県横浜市)で,小学生対象の実験教室「はじめての科学実験」を実施した。この実験教室は,日本化学会の「化学の日」のイベントの1つとして毎年行われている。講師は,宮本一弘教諭(開成中学校・高等学校)で,1日に4回行った。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止策として,マスクの着用,入館時・入室時のアルコールによる手指消毒をおこなった。さらに,実験台にアクリル板の仕切りを設置し,ソーシャルディスタンスを保つために,参加人数を縮小,保護者の見学は不可とし,実験室内の人数を制限しての実施となった。また,実験メニューは,個人で実施でき,実験道具を参加者で共有しなくて済むようなものを選んだ。例えば,今回の実験で使用するハンディータイプのブラックライトを1人1台準備した。
今回の実験タイトルは「身近な光るものを探そう!」で,ブラックライトを用いて身近な光るものを探す実験を行った。参加者は,蛍光増白剤が入った洗濯用洗剤を水に溶かし,その溶液で紙に大きく自分の名前を書いた。紙が乾くと何と書いたか分からなくなるが,部屋を暗くして,ブラックライトの紫外線をあてると,書いた文字が青白く光った。また蛍光ペンを使って絵を描き,暗い部屋でブラックライトの紫外線をあてると,描いた絵が光って浮かび上がってきた。その後,ビタミンB2を含んだ栄養ドリンク,使用済みの葉書,紙幣の印影の他に,自分が身に着けている靴や靴下,服などの光る部分を探した。
身近にある光るものを発見して,参加した子どもたちはとても喜んでいた。特に,蛍光ペンで描いた絵が浮かび上がってきたときは「わー」という歓声があがっていた。「化学の日」に,化学実験を通じて,化学が身近なところで役立っていることが実感できたことと思う。