2024年10月2日
産学交流委員会主催のイベントである「R&D懇話会」を、9月6日(金)に東北大学青葉山キャンパスにて開催した。
最初に次世代放射光施設「NanoTerasu」副理事長の河村先生より、本施設の概要についてお話しを伺った。続いて、施設見学として放射光リングを一周しながら、現行のビームラインや将来計画についての説明を受けた。
その後、R&D懇話会の特別企画として、お二人の先生にご講演いただいた。中村教授からはビームラインの概要や測定事例についてお話しいただいた。具体的には、大学のキャンパスに設置可能なほどの小型の規模でありながら、放射光のエミッタンス性能や運転時の安定性は世界最高水準であることや、予約から測定までにかかる日数は1ヵ月から最短で約3日と短く、多くの試料測定が可能であるという特徴などを学んだ。さらに、直前まで公開されていなかった研究内容についてもお話しいただいた。西堀教授からは、本施設のビームラインを利用した種々のX線分光法により、スペクトルの電子遷移の微小な変化からナノ粒子の乱雑な分子構造や電子状態について考察した最新の研究成果に関するお話しを伺った。参加者からは、測定後のデータの取り扱い方法や、ナノ粒子の分子状態についての質問等があり、活発な議論が行われた。
参加者アンケートには、「内容が充実していた。」、「実物を見ながら説明していただいて理解が進んだ。」、「解析法のポイントについて知見を得ることができた。」という感想が寄せられた。
なお、当日の講演会の司会や案内は、株式会社ニコンの野崎委員と味の素株式会社の萩尾委員が担当した。
次回:9/30「R&D懇話会238回」新事業の創出を加速する手法を考える ~オープンイノベーションを中心とした挑戦事例のご紹介~
(本会事務局・田口)