中西シンポジウムは,日本化学会と米国化学会との取決めにより偶数年度は日本で,奇数年度は米国にて選考されるNakanishi Prizeの受賞講演を含み,該当国で交互に開催されています。また本プライズは生物活性天然物の単離,構造解析,生物機能,生合成および全合成分野での顕著な研究業績を対象に選考され,本年度は本化学会に設置された選考委員会によって,楠本正一教授(阪大名誉教授・山田科学振興財団理事長)を受賞者として決定しました。
第96春季年会初日の2015年3月24日(木)に中西シンポジウムを開催し,冒頭の授与式では本会次期会長である山本尚教授からNakanishi Medalを授与いただきました。さらにこれに続いて,今回の選考理由となった「有機化学を基盤とした複合糖質の合成と生物機能に関する研究」に関連する受賞講演を楠本教授ご自身に,また最新の研究成果を周辺分野の研究者に紹介していただきました。なお講演者は,藤本 ゆかり教授(慶應大),三宅 健介教授(東大医科研),島本 啓子氏(サントリー生命科学財団),伊藤 幸成教授(理研)の4名。
今回の受賞された楠本教授は、昨年のノーベル賞受賞者である大村 智先生がNakanishi Prizeを御受賞された2000年の中西シンポジウムにて講演者のお一人として登壇いただいた歴史的経緯があります。この世界的な評価を有する名誉ある国際イベントは,今回も多くの聴衆を惹きつけ,大盛況の内に終了致しました。次年度はACSにおける受賞者選考および表彰となります。
次回日本開催は2018年の第98春季年会期間中に授与式ならびにシンポジウムを予定しております。