2025年8月8日
日本化学会 環境・安全推進委員会主催の化学安全スクーリング2025が8月4日・5日に化学会館で開催され、44名が参加しました。
化学安全スクーリングは、化学のみならず広く科学分野で化学実験をおこなう大学、研究機関、企業研究所等の研究チーム指導者および環境安全管理担当者、化学物質を取り扱うすべての研究者・技術者・学生を対象として化学実験に関わる安全と衛生に関して総合的に学ぶ講習会です。2023年度から内容を更新し、化学物質が有する3つのハザード(フィジカルハザード、健康影響、環境影響)およびリスクアセスメント・マネジメントの解説をより充実させるとともに、労働安全衛生規則の改正に伴い化学物質管理者(安衛則12条の5)の選任が必要となりますが、本講習は大学や試験研究機関など(リスクアセスメント対象物の製造事業場以外の事業場)の化学物質管理者が受講することが望ましい内容*を含むとともに、より分かりやすく解説する講習として実施しました。*厚生労働省労働基準局長通達(令和4年9月7日付け基発0907第1号)
また、毎年トピックス講義をプログラムに組み込まれていますが今回は「化学物質にまつわるライフサイクルリスク思考」という演題で東京大学の菊池康紀先生にご講演いただきました。
参加者のアンケートからは「研究所内へ教育し、現在のリスクアセスメントの取り組みを見直します。」「大学の実験室のリスク管理、危機管理が甘いところが認識できたので、学んだことですぐできることから一つずつ改善していきます」、「実験室における事故等の実例などをたくさん見聞きすることができ、非常に勉強になりました。対岸の火事ではなく、明日は我が身という気持ちを常に持ち、事故なく安全に学生や研究者が実験できるように調えていきます。」などのコメントが寄せられました。
なお、化学安全スクーリングは来年も夏の実施を予定しております。
当日のプログラムはこちら。