ヘッドラインテーマ:日本の化学史―近代化学の受容から化学の制度化へ―
ノーベル化学賞受賞者数から見れば,日本の化学は世界でもトップレベルであるにもかかわらず,教科書で見る化学史と言えば西洋化学史が中心であることは否めない事実である。そこで今回は今後の何回かの特集を想定しつつ日本化学史を特集したい。江戸期における宇田川榕庵や川本幸民による化学の受容(翻訳活動),その後の英国のウィリアムソンの下での長州ファイブや櫻井錠二による留学生としての化学教育体験。そしてその後の東大理学部での化学教育や化学における京都学派の形成を概観しながら現在に至る日本化学の道程を辿る第一弾としたい。