日本化学会

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Vol.63,No.8 2010年

特集: 鉄触媒ノルネサンス

鉄は酸素クラーク数第4位の元素であり,ケイ素,アルミについで存在量の多い有用な化学資源である。当然ながら触媒として古くから用いられてきたが,精密有機合成への応用例はそう多くなかった。しかし最近になって「元素戦略」が提唱されると,パラジウム,白金、ロジウムのような従来まで希少金属触媒を鉄触媒で置き換えようとする研究が盛んに行われるようになり,多数の優れた触媒反応が見いだされつつある。現在のところ鉄触媒の領域は日本がリードしていると言ってよく,波及効果の大きい優れた研究が多い。そこでこの特集では,炭素‐炭素結合生成反応,重合反応,ポリシラン合成,シリル化を例に,発見の経緯,他の貴金属触媒との触媒活性の違い,鉄を用いるメリットやその意義等について,4人の代表的な研究者にわかりやすく解説いただいた。

 

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