化学と社会をつなぐ
科学技術が発展し,その恩恵が社会に還元されるには,専門家だけでなく,専門外の一般市民の理解を得ることが重要である。現在,インターネットを利用して専門外の人々がこのような科学技術情報に比較的容易に触れられるようになった反面,誤った情報も氾濫しており,一般市民が自力で適切な情報を入手し,理解するには相応の科学技術リテラシーが求められる。そのような中,専門家の間だけでなく,広く一般市民にも科学技術を正しく,わかりやすく伝えるサイエンス(科学技術)コミュニケーションの重要性が注目され,我が国で
も2000 年代初頭より多様なサイエンスコミュニケーション活動やそのための人材養成など様々な取り組みが行われている。本ヘッドラインでは,科学を広く社会に伝えることの重要性やその意義,実践例などについて解説・紹介する。