研究倫理の重要性とその指導について
高等学校において2022 年度から教科「理数」が新設され,「総合的な学習の時間」から「総合的な探究の時間」に名称が変更され,自ら課題を設定し,情報を得て考え,表現・発信する習慣を身につけることがより強く求められるようになった。その際に,適切な研究倫理教育がなされないと,悪意はなくとも無自覚に研究不正が行われかねないため,初等・中等教育段階での研究倫理教育の推進が重要になる。そこで,研究倫理が求められる背景や場面とその必要性,児童・生徒・学生,あるいは研究対象に対して倫理的な問題が生じないよう配慮すべき事柄と手続き,倫理的欠如が生じた場合への備えと対応,児童・生徒・学生への指導法,指導事例などについて解説する。